第2609話 受け取ったけど。

出店にもずくの天ぷらを買いに来た


オッサン1人でやっている店だ、昼時というのもあり列が出来ている


はいっ、はいっと手際良く紙袋に入れていくのだが


30代の母親と8歳くらいの女の子が注文したタイミングで手元の紙袋が無くなり


少し横に置かれていた新しい紙袋の束を摘もうとして、取れない


オッサンはイラッとして無意識に"ある手段"で紙袋を摘み、それにもずく天を入れようとして


女の子「あっペロッてしたペロッて」


一瞬オッサンの手が止まるが、そのままもずく天を入れ続け


「◯◯◯円です」と袋を差し出したら


「あっ・・・」

母親がその袋の受け取りを躊躇した


「要らないの?」


「あっ・・・すみません」


母親は受け取らずに恥ずかしそうに去って行った


「だってペロッてしたもんねー」


女の子が追い討ちをかける


そんな気まずい空気の中、次が俺


「もずく天8個」


「はいー」


オッサンは今入れたもずく天を一旦ざざーっと隣のトレーに出し


新たにもずく天を8個、袋に入れる


「はい、◯◯◯円です」


いや何でペロッてした袋を使い回したの俺に。

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