第2587話 かおりちゃん

誰が名付けたか、港に「かおりちゃん」と呼ばれる黒ブチ猫がいる


雄か雌かも分からない。


かおりちゃんは漁協の人間や我々に慣れきっているから


たまに勝手に乗船して船の中で寝ていることがある


前日できなかった船内の片付けを終え、漁協の大型製氷機前に船を着ける


製氷機の横で漁協の事務の女性Eさんと森口くんが立ち話をしている

https://kakuyomu.jp/works/16816927860625905616/episodes/16818093089219781386


俺「またかおりちゃんにウンコされてた」


Eさん「えっ、また?どうしてあの子って分かるの?」


「いっつもファイティングチェアの足元にしよるねん」


怪訝な顔の森口くん「あの・・・それって御近所のお子様ですか?」


俺「せやねん。森口くんも見かけたら注意したってな」


森口くん「はい、分かりましたけど・・・親御さんに言った方が・・・」


Eさん「誰が親かなんて分かんないよ」


森口くん「えっ?おうちは・・・」


俺「分からん。まあ、この一帯やろな」


森口くん「えっ・・・?!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る