第2507話 言うだけタダ
新幹線内の同じ並びの反対の窓側で
キオスクて買った弁当を食べようとした初老の男性が
食べる気満々で開封したっぽいのに、また蓋をして外を見ている
それから30分ほど経ち、車内サービスのおしぼりを配りに来たパーサーに男性が声を掛ける
あまり聞き取れないが、どうやら箸って置いてないですか?みたいなことを訊ねている
パーサーが、今一度その弁当の蓋を開けてもらえますかと促し
男性が開けると、蓋の裏に箸が付いていたのに気付いたみたいだ
苦笑いでパーサーに御礼を言った男性、"全く・・・"といった感じで首を振りながら箸を袋から出し
弁当の上に箸を置いてペットボトルのお茶を開けようとしたところ
フタが落ち、あっ!と屈んだ際に体が箸に当たり、落ちてしまった
その瞬間
まさに弁当をつついている反対窓側の俺と目が合い
俺は
"私もこれしかないもんで"と苦笑いで軽く箸を上げると
男性は
"そんな使いかけ要らないよ!"という風にしかめ面で首を横に振った
「俺の箸、やるわけあらへんがな!なあ?笑」
後日、飲みの場で、ジェスチャーを交えながら状況を説明したところ
7人中7人から「これ使います?に見える」と言われた
そうか俺の笑顔が素敵すぎるのか。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます