第2144話 エイリアン・アタック2

人魚のミイラといわれるものが世界各地に存在するが、現在ではその全てが作り物(フェイク)だと解明されているらしい


なんだかそれも夢のない話だが・・・


昼間、興奮冷めやらぬといった体で宮里くん(27・脳筋王子)が事務所に戻ってきた


腕に何やらビンのようなものを抱えている


「Tさん!ヤバいですよ!」


ずんずんずんと俺の席にやってきた宮里くんが、そのビンを机に置く


「どうですかこれ!!」


俺「ん?・・・うっわ何これ?!」


イシくん(39・小さな営業マン)もやってくる


「何持ってきたの?・・・うわっ?なに??」


得意満面の顔で宮里くんが言う


「エイリアンのミイラです!」


ビンの中に、長さ30センチほどの干からびた黒い枝のようなものが6本ほど入っているのだが


それぞれの先端に、牙だらけの厳つい顔?が付いている


俺「これ、どうしたん?」


宮「J社長が佐賀で捕獲したそうです!」


イシ「佐賀?」


俺「あ、これワラスボだ」


宮「なんですかワラスボって」


イシ「プラセボ効果、知ってる?」


宮「知らないです」


イシ「凄く効き目があると聞いて飲んだ薬がもし偽物でも、本物と信じきっていれば本当に効いたような効果が出る、ことをいうのだけど」


宮「へえ〜、そんなことあるのですか?」


イシ「うん。でな、ワラスボってのは『ワラスボ効果』のことで、これがエイリアンのミイラだって言われたら、たとえこれがただの魚の干物であっても、エイリアンのミイラだと信じてしまうことを言うわけ」


宮「あ!今まさにワラスボ効果ってことですか?!」


イシ「そうそう」


宮「マジですか・・・島(沖縄)だけじゃなく、佐賀もですか・・・」


当分ワラスボ効果は続きそうだ


https://kakuyomu.jp/works/16816927860625905616/episodes/16818093074070431337


※ワラスボ・・・有明海にいるハゼの仲間。

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