第1987話 宮里タイム

宮里くん(26・脳筋王子)「冷たい雨に打たれて、とか。優しい風に吹かれて、とか。歌の歌詞によく出てくるじゃないですか」


U部長(46)「まあ・・・そうね」


「あれ分かったんです。天気の事って、人の気持ちを表すのにピッタリなんですよ」


「あ、分かったんだ。凄いじゃん笑」


「いや〜そんな、たまたまです」


「・・・で?」


「ん?」


「いや、それで?」


「もうないですけど」


こんな会話を毎日至近距離で聞かされているから、今更何も思わない


宮里くん「ちょっと良いですか?」


俺「おっ、なにかな?」


「巨人とかいるじゃないですか、映画なんかに出てくる。ゴーレムとか。ああいうのって基本、動作緩慢じゃないですか」


「・・・まあ大きさにもよるだろうけど。自重とか重力とか、空気抵抗とか影響受けるやろうしなぁ」


「アリから見た我々ってどうなんですかね?動作緩慢なんですかね?」


「そやなぁ・・・アリの1,000万倍くらいの大きさが人間かな?アリが必死に歩く距離なんて人間は一歩で追い越せるやんか。けどそのスピードのまま我々がアリくらいに小さくなってみ?アリと並んでスタートしたらアリの速さに度肝抜かれる思うで?Gなんてもう、リニアやな」


「あ〜そうかもしれない!やっぱりアリには緩慢に見えてるのですね!」


「何?それがどうかしたん?」


「それだけですけど」


こんな会話を毎日至近距離で聞かされているから、今更何も思わない


・・・と、前に座っているU部長も今、思っていることだろう

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