俺・谷やん（36）と共に結婚式に出席するため、久々に礼服を着ることになったイシくん（39・小さな営業マン）だったが

腹回りが入らないので、仕方なくウエスト調整アジャスター付きの礼服を、急ぎ新調した

イシくんは153センチと小柄だが、筋トレ効果で胸板が厚いため

ワンサイズ上の礼服を買い、ズボンの裾上げだけして参加した

当日、我々は新婦側での出席だったが、新婦の友達がイシくんを「萌え袖※」と呼び始め

新婦の両親からも「萌え袖さん」とビールを注がれ

式の終わる頃には多数の参加者から「短パンの方が似合うのに」と言われていた

本人は「イジられて最高じゃん」と思っていただけだが、帰りのタクシーで谷やんが、イシくんを気遣うように聞いてきた

谷「いま楽天のピッチャーが問題になってますけど、仮にイシさんが今日のアレを嫌だと感じていたら、あれは何ハラになるんですか？」

イシ「そんなこと全く思ってないけど・・・あれかな、行き過ぎるとパーハラにあたるのかな？」

谷「パーハラ？パワハラじゃなくて？」

イシ「パーソナルハラスメント。見た目をいじるってこと」

谷「あ、そんなのもあるんですね・・・そっか〜パワフルとちゃうんか〜」

俺「・・・ん？なんて？」

谷「いやだからパワフルハラスメントと違うんや〜って」

※萌え袖・・・袖が長くて指が隠れた状態。女子がニットでやるやつ。

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