第1963話 見た目

本屋さんで


俺の前で精算中の8歳くらいの子供に


店員の30代男性が「あと100円足りない」みたいなことを言っている


「持ってない?」


「あるけど、いつも◯◯◯円・・・」


「今回はなんか違うのかもね、あと100円です」


「でもお母さんに・・・」


「お母さん?何処にいるの?いない?どうする?買いますか?買いませんかー?」


「・・・・・・」


店員にはそんなつもりはないのだろうが、子供からすれば威圧的に感じているはずだ


「おいあんた、相手子どもやぞ。もっとちゃんと説明したれよ」


そう言いながら2人に近付いて本を見ると、どうやら増刊号のようだ


「ここに増刊号て書いとるやないか。ページ数多いからいつもより高いんですよーとか、説明してやれよ」


俺の身なりを見た店員男性は「すみません!すみません!」平身低頭に謝る


「俺に謝らんとこの子にちゃんと説明したりや」


「はい、わかりました!あのね、この本はね・・・」


再び2人から離れ、後ろで待つ


背後から親子の会話が聞こえる


「あのひとけいさつかん?」


「違う、はんたいの人」


うおぉぉぉ〜い!!

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