第1957話 Precognition

先だって釣り具を、まだ使う・もう使わない(売れるかもしれない)に仕分けして整理している最中


あれ?

この光景・・・以前見たような気がする・・・


というかつい最近この棚を整理して、釣り具を売りに行ったような・・・


リビングに戻り、財布を見てみる


いや、無いな・・・

そこらの引き出しも見てみるが、それらしき買取表は無い


結構な高値で売れた気がするのだが・・・


不思議に思いながら釣り具部屋に戻ろうとして、何気に日の射す窓のカーテンを見る


あれ?

最近、ガラス窓を拭き掃除しなかったかな・・・


いやそんな時間はついぞ無かったし、気のせいか・・・とトイレに行こうとして


あ~そう言えば最近、この廊下でさんぴん茶のペットボトル落としてビッチャビチャに・・・


なったことなどない・・・ないよ?


落ち着け、どうした

俺は今、SF映画のように先のことが見えているのだろうか


少々気味が悪くなってきた

この部屋が俺に、何か訴えかけているのだろうか


そこで電話が鳴った

上の娘からだ


「いまイオンにいるけど何か要るものある?」


「ていうかデジャヴなのか何なのか・・・さっきから色々とフラッシュバックしてるねん・・・気味が悪くてな」


事象を説明する


「それ全部、私ん家の話よね」


「えっ?」


「父さん酔っ払って、ぜ~んぜん人の話聞いてないわ~と思ってたけど。自分のことにしてたのね笑」


は?


旦那が釣具を売り、娘が窓を拭き、孫息子がペットボトルをぶちまけた


「じゃあ15万で売れたタックル(釣竿とリール)は俺のじゃなかったの??な~んや小遣い損した気分やな・・・」


「なに15万って。1万5千円でしょ?」


「ん?15万って聞い・・・あっ勘違いかなぁ!!」


思い出した・・・

15万で売れた話はあなたの旦那から聞いたんだわ( ̄▽ ̄;)


すまん義理息子、バレたぞ。

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