第1875話 タイミング良すぎ

「呪われた恐怖の投稿動画」シリーズを、暇だったので立て続けにダウンロードして見続けていた


パターンとしては、撮影された何気ない日常の一コマに、突然苦しそうな顔が映り込むとか、そんなやつ


そして撮影者・被写体のどちらかが、のちに行方不明になったり亡くなったりする


一本1時間程度の動画に数話、エピソードが入っているのだが


流石に4本目ともなると飽きてきた


気分転換にいつものスーパーに買物に向かう


酒のアテになりそうな惣菜パックをカゴに入れたあとハイボール缶を物色していると


背中をスーッと人差し指で撫でられ、"えっ?"と振り返ると周囲には誰もいない


ええっ?!

今たしかに指でスーッてされたけど??


すぐ隣の缶ビールの陳列棚に比嘉さん(最年長パートのおばちゃん)が居たので声を掛ける


「いま俺の後ろ、誰も居なかったよね?」


「えっ?知らないよー?」


「ですよねぇ・・・こわ・・・」


心霊動画の見過ぎで本当に怪を呼び寄せたか


翌日もほぼ同時刻、スーパーに立ち寄った


昨日と同じく缶ビールの陳列棚で作業する比嘉さんを発見


少し見ていると比嘉さんは、右手に何かを持ち、陳列棚の奥からビールを引っ張り出している


「何してるんです?」後ろから声をかける


「わっ、なに?これは違うよ?」慌てながら、30cmくらいのL字の棒を隠す


「何ですかそれ」


「ん?あの~、前出し棒」


「もしや昨日、それで俺の背中触りました?」


「あら?触った・・・かしら?」


「なんすかそれ笑」


「にーにーの背中のプリント何の顔だろ~って棒で撫でたらただのシワだった、ごめんねー」


顔ってなに?!(||゚Д゚)

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