第1873話 確信犯
助手席に座る孫娘(中1)
「あ、そうだジージ。バスルームが全面ガラス張りのビジネスホテルのシングルルームって何の意味があるの?」
いきなり??
「◯◯おじじがジージに聞けば分かるって」
「◯◯おじじ」とは、上の娘の旦那の従兄弟だ
家に遊びに来てそんな話をしているときに孫娘が突っ込み
「それはリサのジージが良く知ってる」と言われたらしい
なぜ俺に振る。
「ん~っと。そもそもリサは何だと思ってるわけ?」
「女の人連れ込むんでしょ?」
「あの・・・それを知ってて、いや知ってるのも問題だけど、なんでジージに聞くの?」
「ジージはどうなのかなーって」
「いや、あのさ、そもそもシングルルームは一人部屋よね。一人部屋なのにどうしてガラス張りなのかなーって、話でしょ?一人部屋に2人いたら怒られるし」
「あ、そうか」
「でしょ?ビジネスホテルって安いところだとセキュリティーが甘くて盗難とかあるのよ。勝手に合鍵使って入るとか。だからシャワー浴びてる時も部屋が見えるようになってるわけ」
「あ、そうなの?」
「そう。」
嘘ですが。
「でもおじじは『必要ないのにガラス張りって、もう確信犯じゃないか』って笑ってたよ?」
「ん、まあ・・・その、たまに、古いホテルって幽霊も出るから。寂しい幽霊が」
「?」
「そんな幽霊が昔を思い出して誰かに寄り添いたい!ってなったときに、一人部屋だと入りにくいやん?だけど『あ、ガラス張りのバスルーム・・・なのにこの人、一人で寝てる・・・そっか、私と一緒で寂しいんだ』って気を許せるわけよ」
「その幽霊って女の人なのね」
「いや?それは知らないけど・・・」
その後、ジージは寂しい幽霊と添い寝しているという話を拡められてしまったが
どうせ何を言ってもそういうオチにしたかったんだろうし。
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