第1279話 もう、それでええわ。

ある1点の位置を決めるのに必要な、数値の個数=次元


1次元は直線

2次元は縦横

3次元は縦横高さ

4次元は縦横高さ時間


ここまでは分かるけれども、どうやらその先、11次元まであるらしい


で、そんな高度な次元では


時間軸を同じくする別世界、いわゆるマルチバースが存在するとかなんとか


谷やん(35・脳筋社員1号)「あれですよね、パラレルワールド」


俺「そうそう」


「別の世界の自分って会ってみたいですね」


「むかしジェット・リー主演の映画に『ザ・ワン』ってのがあって、別世界の自分を倒す度に取り込んで強くなっていくんよ。最後は善のジェット・リーと悪のジェット・リー、2人が残って究極の闘いを繰り広げるって話」


「へぇ〜面白そうですね。でも自分倒そうなんて思うかなぁ」


「俺は自分が2人いたら嫌やな。紛らわしいやんか」


「え〜楽しそうですけどね」


「いや、俺は自分の良いところ悪いところ知ってるからな。悪い俺は、それを表に出さんだろうし、俺を騙してくる可能性がある」


「Tさんってそんなヤバいんですか笑」


「ん〜、お前やから言うけど俺、相当ワルやで」


「マジっすか?!」



さて27日の納会、俺は沖にいるので参加しなかったが


昨晩坂下くん(30)が「今年もお世話になりました」とLINEを送ってきて、その中で納会の話になった


坂下『谷さん、Tさんが居ないと気が大きくなって言いたいこと言いますよね』


・・・この坂下くん、普段は森くん(24)とともに谷やんの子分(ネトゲ仲間)的立ち位置なのだが


裏では"ええとこ付き"するスネ夫みたいなところがある


「また何言うたん?どうせ俺のことやろ」


『まあ、はい笑』


「前にアイツに『うんこ』呼ばわりされたしな。何言ってた?」


『怒らないで流してくださいよウンコみたいに。いや、Tさん本当にそんなこと言ったの?って確認もあるのですけど』


「俺が?あいつに?何を?」


『谷さん曰く「Tさんって相手が自分より弱い時に『おれ昔、相当ワルやったからのぉ〜』ってイキってくる」と』

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