第855話 脳、溶けてます?

朝一番、真暗な共用部のトイレに入ろうとして、ダン!と両手で扉を押すと


扉の向こうでガン!と何かにぶつかり15センチほどしか開かない


えっ(,,゚Д゚)?!


再度そーっと押してみる


開いた・・・


電気を付け、そーっと顔を覗かせてみる


扉の向こうに障害物などない


扉の蝶番(ちょうつがい)がおかしいのだろうか?


確認するが特に不具合はない


いやたしかに、扉の向こうに誰か立っていて、ぶつかったと思ったんだが・・・


それを事務のM嬢に話していると、つい先ほど水晶と無香空間を間違えた谷やんが寄ってきた


「トイレっすよね!俺もさっきダン!って開けたらそのオッサンに当たって。なんでいっつもあんなところ立つんスかね」


「そのオッサンて誰よ?昼間やろ?電気付いてたんやろ?」


「え?はい」


「それは単なるお前の不注意やないか。ちゃんと謝った?俺は朝、真っ暗で誰も居なかったわけ」


「えっ?見えなかったってことすか?」


「見えなかったとは?誰もいなかったから怖いっちゅう話をしとるの!」


「え、俺だけ見えてるんスか?」


なんでそのオッサン縛りやねん

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る