第836話 本当にあった(ある意味)怖い話

俺「とにかく谷、お前はアウトプットが苦手やな。まずは自分から率先して話しかけることを、もっと意識せなあかん」


谷やん「・・・まあ確かに、はい、そうすね。もっと場を和(なご)ませなアカンのでしょうね」


「和ませるだけじゃあかん。初めの一手や。待つのでなくこちらから先に投げかける癖をつけることや」


「あ、小ネタとかですね?」


「は?相手が何を求めているのかを察知して、その情報を先に掴んで調べて、事前に自分で解釈してみて、それを投げかける。小ネタなんて表現は相手に失礼やろ」


「掴んで、投げる。野球みたいな感じですよね」


「野球の話はしとらん。お前の相手が何を求めてるか。例えば奥さんでもええやん、お前に何を求めてるか」


「ん〜健康ですかね」


「健康?じゃあお前は酒飲むのを控えて運動もして、引き締まった身体を維持するってのも、一つのアピールやな」


「なかやまきんに君みたいな感じっすか?」


「ん?・・・そこまでいかんでもええし、なんかちょっと違うけど」


「言葉で、ってことですか?」


「そうそう。どんどん投げかけてたら、そのうち成果も出てくる」


「言葉責めってことですか?」


「谷・・・お前さっきから何を言うとんの?アウトプットの話をしとるんやで」


「・・・投げかける。求められるものを。そして笑わせる」


「笑わせろなんて言うてへん。ちゃんと相手の心掴めたら、それでええのや」


「あれですよね優勝出来なかったけど会場に爪痕残して3位、みたいな」


U部長「ちょっと、ちょっと谷。もしかしてお前、そもそもアウトプットの意味を知らんのじゃないか?」


「え?笑わせろってことじゃなくて?」


なんだ"会うとプッと"って。

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