第766話 大事な報告

いっさい誇張しておりません。

つい先程の、そのままを載せます。


先程から電車の一列シートの隅に座り


古い伝票の束みたいなものを三冊ほど、膝に乗せてチェックしているオッサンがいる


「あった!これかぁ・・・」


綴(つづ)りの一つ、後半あたりを開いた紙の上に指をトントン当てる


すぐさま電話を掛けはじめる


よほど急ぎで大事な報告なのか、車内での通話を悪びれる素振りもない(小声ぎみではあるが)


「あ、もしもし?いいですか?言いますよ?・・・◯月◯日。奥様はまぞう7名」


なになになに??笑


「奥様はまぞう。はい。そう、魔女じゃなくてまぞう。ぞう、はい。・・・奥様と魔、は漢字。で、魔女の、じょ、が、じょ、じゃなくて聞いて?聞いて?最後まで言わせてくださいよ。魔女のじょ、が、ぞう」


・・・まぞう?


「そーですそーです、まぞう。奥様は魔ぞう。で、ぞうが銅像の像。でも、マゾってルビ打ってます。はい。だから結局、奥様はマゾ。はい。の、7名。はい。・・・あっマゾ7名じゃないですよ笑・・・あっすみません。はい、人数7名」


なんの話をしとるのだ


昼過ぎの車内、乗客も少いが、全員我慢できずヒクヒク失笑していた

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