第560話 今時の子ども

朝から孫娘(小6)が来て、ピザを作っている


デュラム粉を混ぜた本格ピザだ


イースト発酵を待つ間、孫は持ってきたiPadで YouTubeを見ている


「結局、ピザはピッツァなの?」


突然、孫娘が聞いてきた


「ん?サンドウィッチマンのネタ?ピザはアメリカで、ピッツァはイタリアって言うよね」


「何か違うの?」


「よくわからないけど、ピザは手で取り分けて食べるけど、ピッツァはナイフとフォーク使うかなぁ」


「でも一緒だよね?」


「まあねぇ。皆、気取ってるんだよ。ジージはピッツァなんて言わないもん」


「でもさ、ワインもさ、ただワインって言えば良いのにさ、何だっけ・・・ふるぼで?とかメルローとか、言ってるじゃん」


「あー、ほんっと大人は気取ってるよなぁ。パパ、おウチでそんなことばっか言ってるんだ笑」


「ジージがだよ」


「えっ?ジージが?そんなこと言ったっけ??」


「この前のBBQ(連れて行った知り合い主催の集い)で、ずっとそんなこと言って注文してたじゃん」


「ホントに?気取ってたんだねぇ・・・」


「大人の流行りってよく分からないわ」


「そりゃR(孫娘)が今から分かってたら怖いぞ笑」


「まあね」


「逆に小学生では何が流行ってるの?テレビとか、何観てるの?」


「テレビなんか見ないよ」


「え?見ないの?何見てんの?」


「これ(YouTube)とか。TikTokとか。」


「ていうかさ、子どもが自由に見て良いんでしたっけ?」


「いつの時代よ。観てるよ、みんな」


「ちょい待ち。SNSもやってるよね?」


「あーインスタやってるよ」


「それって13歳以上じゃないとダメなんじゃなかった?」


「ママに見せてるもん。どんな話してるか調べられるよ。Twitterはしちゃダメだって。LINEは年齢制限ないし」


そりゃあマセるわ。

情報溢れすぎだもんな。


「そっかー。じゃああれだよね、ジージんち来て教わらなくても、ピザなんて動画見たら作れるもんねぇ」


「あーそれは違うよ。realistic sensation があるのと無いので全然。」


「・・・ん?realistic sensation ?」


「臨場感ってやつよ」



なんかさ・・・

俺、誰と喋ってるんだろう?

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