第380話 加害者

昼飯を摂る時間がなく、コンビニで小さいサラダを買って事務所で食べていると


箸で掴んだ枝豆が1個、コロンと落ちた


あっ、と下を見たのだが、落ちたと思った方向に豆が見当たらない


更に屈んで机の下を覗いたが見つからない


立って机の周囲を見渡したが、緑の物体は確認できない


靴や鞄にも入っていない


おい~どこに消えた


まあいいか・・・時間がないのでそのまま出掛ける


夜、21時。

事務所に戻ってきた。


電気を付け、自席に歩きかけて、あ、枝豆・・・と思い出し、改めてタイルカーペットの床を見る


俺の好みで、事務所はオレンジ色のカーペットにしているから、逆に緑色は見つけやすいはずなのだが・・・あ。


そ~んなところにおったんかい

机の足の影に隠れていた


四つん這いになり、机の下に潜って枝豆を拾っていると


「あれ、Tさん?どうしたんですか??大丈夫ですか?!」


その声はU部長、戻ってきたのか


「あっ違うねん大丈・・・」頭を上げかけて


「ガン!!」


机の引出し裏側に思い切りぶつけた


「痛った!!」


「大丈夫すか!!」走ってくるU部長の気配


思い切り角で打った・・・が、何でもないことを知らせねば、と机の下から身をよじって出てきたのと


U部長が横から机の下を覗き込んだタイミングとが重なった


顔をしかめながら俺は、右手に摘んだ枝豆を見せる


「枝・・・枝豆がやったんすか?!」


何をだよ

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