第288話 娘と新聞

下の娘のところに顔出ししてきた


あまりにも世間知らずなので、2年前、沖縄で一人暮らしを始めるにあたり


新聞だけは読むようにと契約しておいたのだが、全く読んだ形跡もなく右から左へと山積み


厳密に言うと「使われて」はいた。

インコ小屋のウンチ用下敷きとして。


そんなだから未だに、政治・経済に疎くアホなことばかり言うので、半強制的に読むことを義務付けていた


次、来たら質問するよ!と。


で、朝訪問すると、肩にインコを乗せてダイニングテーブルで新聞を読んでいる


「あ、お早う〜」


そう言って挨拶をしてきたが、真剣に記事を読んでいるようで、こちらに顔を向けてこない


うん、よろしい。


差入れやら何やらを冷蔵庫に収納していると、背後からぶつぶつ独り言が聞こえる


「え〜っ、ややこしいわ!」


「WTOが?・・・ワールドトレードオーガニゼーションだったからー・・・」


「これは?・・・ワールドホケンオーガニゼーションなのかー」


アホですか?

ゴーヤ入れながらズッコケたわ


WHOのことを言っとるんだな


「ホケンだけ日本語なわけあらへんやろ笑 ヘルス!World Health Organization!」


突っ込んでやった


すると逆に娘から問題


「じゃあさー、ダブリュ・エー・オーって何か知ってるー?」


「ん?いや、知らん」


「うわぉ♡」



・・・しばいたろか。

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