第66話 ツイスト

マンション近くのバーで仲間と飲んでいた


普段からほぼ100%外人さんだらけのバーだが


この日は店を出る最後あたりになって

ジュークボックスから連続して曲がかけられ、オールディーズ大会になった


皆、その場で踊っている


俺らが出る頃にはツイスト大会になっていて、俺も上下体を捻りながら店を後にした


路上で仲間と別れ、歩いて5分でウチのマンションに着く


時刻は23時過ぎだ


エントランスを抜け、エレベーターに乗り、3階を押す


先程まで店で掛かっていたチャビー・チェッカーの「Let’s Twist Again」のノリで手足をグネグネ振りながら


「Come on, let’s Twist Again〜Like we did last summer〜!」


大声で踊っていると3階に着いたので、静かにする


それから2日程経った昼間、1階ロビーで、2部屋隣りのUさんとばったり会う


「あっTさん、聞きました?」


「えっ何をです?」


「一昨日21時頃に、Fさん家(2階に住む老夫婦)に怪しい訪問があったらしくて」


「怪しい?どんなです?」


「最初は宅急便かと思って通したら、そのうち部屋の通信状況がどうとか聞いてきたそうで、すぐ追い返したらしいんだけど」


「あ〜、そういうの良くありますよねぇ」


「だからFさんが管理会社に言って、ここ数日のホールやエレベーターの監視カメラの動画、チェックするらしいですよ」


・・・ふふふ。

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