第8話 うわて

異業種に、同い年のJという社長が居て、たまに2人で飲む


そのたびにウチの脳筋社員、谷やん(34)と宮里(25)のアホさ加減を彼に嘆いていた


しかし世間は広い。同等・あるいは上がいるようだ。



ある日、たまたま会議室前を通り掛かったJ。


開けっ放しの扉の向こうに立っていたスーツ姿の若者を見つけ、声を掛ける


「こんにちは。あなたは・・・これから面接の方かな?」


「はいそうです!宜しくお願いします!」


「お名前はなんて言うの?」


「"○○しゅん"です!」


「○○さんですか、初めまして。しゅんは、どんなしゅん?」


「土へんにムかいて矢、です!」


土へんにムかいて矢・・・


埃(ほこり)やないかい。


正しくは「竣」だったそうだが。


というか彼は採用されたらしい。

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