第38話

[アレスside]



このチビッ子 邪神らしいが 只のイタズラ小娘にしか見えんな !

母ちゃんヘラ神も 何を考えているのやら………俺の知らない 弟や妹が何人増えているのやら……



ユリリン

「 お兄ちゃん お兄ちゃん これ、あげるのじゃ」


アレス

「 んっ、 何だ これは……………まっ まさか これは 」


そこには 熱々の“ フライドチキン”が あった !


アレス

「 この“チキン”は どうしたんだ ? 」


俺は 恐る恐る聞いた………まさかな ? さっきからペットの鳥が見えんが……



ユリリン

「 旨そうな鳥が 居たから 堕天使達に頼んで料理して貰ったのじゃ 」



アレス

「 ギヤァー 俺のペットを料理するなぁ “チルチル” “ミチル” “ポチ” “タマ” “ユマ” 隠れているんだろ、 みんな 出て来てくれよぉ 」


しかし、 何の反応もなかった 。 俺のペットがぁ !

そこには 確かに旨そうな“フライドチキン”が あった。



アレス

「 クソォ 、 こうなったら食ってやる ! ムシャムシャ ングング ゴックん うめえじゃないかぁ !チルチル、 ミチル、 ポチ、 タマ、 ユマ お前達 旨かったんだなぁ 」



泣きながら アレスは“フライドチキンを 食べていた。




[エリスside]



エリス

「 ねえ、 ユリリン あの“フライドチキン”は 確か………」


ユリリン

「 ジパングのお土産の“ ノースダコタ・フライドチキン”じゃ 。 ジパングでも 人気の食べ物じゃ ! 」


エリス

「 じゃあ お兄様のペットは いったい………」


ユリリン

「 エリリンとアテナちゃんに預けているのじゃ。 妹からの ささやかなイタズラなのじゃ」


エリス

「 あんたは 間違いなく『邪神』よね」


ユリリン

「 そんなに褒めなくて良いのじゃ」


泣きながら チキンを食べている兄を見て

( 仮にも 十二神の一柱が 幼女神に手玉に取られて どうするのよ )


などと思っていた。


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