第5話
ただの寂しがりやの妹。
なんだよな⁉︎
リナよ…
オレの隣でアイスを食べるリナ。
すると突然
「好き」
って言ってきた。
ん?
昔からよくお兄ちゃん大好きって言ってく
れてたよな。
その好きか?
「うん。ありがとう」
「なんだそのぬるい返事は」
「えっ、ならお兄ちゃんも大好きだよー」
ぎゅー
「うきゃぁ〜、やめれ〜」
真っ赤に顔を染めるリナ。
リナ…‼︎
リナの好きって家族としての好きじゃなく
て一人の男としてのオレを好きなんだ。
じゃあ、オレたち好き同士なんだな。
でも…
やっぱり家族なんだし、リナも一緒にいる
ってだけでなんか錯覚起こしてんのかもし
れないし、オレも好きだからってリナと付
き合うのもどうなんだ…?
好きだけどやっぱだめだ。
世間体だってあるし…
ここは、思い切って
「リナ」
「何?」
「オレ、リナの気持ちは嬉しいけど付き合う
とか、そういうことできない。」
「なんで?私のこと嫌い?」
「そうじゃないよ。でも…でも他に好きな人
いるんだ。」
リナは、びっくりした顔をしてその後うつ
むいた。
「うん…わかった。」
リナは、アイスを食べ終わると部屋に入っ
ていった。
リナ…
ごめんな。
他に好きな人いないけどでもリナのこれか
らの未来のためにもこうするのが一番いい
んだ。
きっと…。
夜自分の部屋にいたら、リナの声がした。
「そうそう、だらかあれはどうせカモフラー
ジュなわけ。本当に好きなのは、お父さん
だから。お兄ちゃんなんか好きじゃないか
らー。」
ん⁉︎んんん⁉︎
リナ…待て待て‼︎
盗み聞きは、よくない。
けど聞こえてしまったのだから仕方ない。
盗み聞きを許しておくれ。
ってか、リナオレを好きなんじゃなくて父
さんが好きなのかよ⁉︎
いつからだよ⁉︎
年上が好きって父さんだったのかよ‼︎
再婚した時から狙ってたのかよ⁉︎
まさか父さん…お母さんからリナにいった
りしないよな⁈
下手したらリナがお母さんになるって事⁉︎
わー‼︎
ぜってーやだ‼︎
全力で阻止せねば。
夜ご飯いつもみんなで食卓を囲む。
リナ…
あー‼︎リナと父さんがきになるー‼︎
「ねぇ、お父さんとお母さんなんの映画みて
きたの?」
リナの質問に、
「アクションだよ。結構面白かったから、今
度リナもお友達誘って行ってごらん。」
と、優しく答える父さん。
「うーん…リナアクション好きじゃないなー。
コメディがみたい。今度私も映画一緒に連
れてってほし〜な〜」
えっ…
リナ、実の母から義理の父さんを奪うつも
りなのか⁉︎
それは阻止せねば‼︎
「リナ!なら今度オレと一緒に行こう。な?
それがいい。うん。オレコメディ大好きだ
し。」
キョトンとするリナ。
「でも、お兄ちゃん…」
「いいから。とにかくお兄ちゃんが連れて行
く。父さんもそれでいいよね?」
「あぁ、父さんは構わないよ。二人が仲良し
ならいい事だ。」
ホッ。
二人は、進展していないみたいだ。
まだ。
でも、油断禁物だ。
二人が付き合うくらいなら、オレが…
オレがリナの気持ち向かせてやる。
昼間はリナの未来の為なんて身を引こうと
したけど、父さんとリナが結婚なんて事に
なったら嫌だ!
リナをリナの心を絶対掴んで見せる‼︎
早速映画を調べてリナを誘った。
日曜日
「お兄ちゃーん、行こっ」
「おう…じゃあ行こう。」
リナ…かわいいワンピース。しかも髪型も
いつもと違ってかわいいじゃないか。
こんなただの兄貴と映画行くだけなのに、
そんなにオシャレして。
本当は、父さんと行きたいはず。
いやいや、弱気になるなおれ‼︎
「リナ、かわいいじゃん」
「え〜、本当?ありがとう。」
嬉しそうに照れるリナ。
照れてる?
はっ…
これもカモフラージュなのか⁉︎
照れてるフリ⁉︎
だからか。
この前の好きもカモフラージュだったんだ
な。
でも、顔まで赤く染めるなんてなんて凄い
演技力…。
恐るべしいもうと…。
いや、恐れている場合ではない‼︎
「リナ、二種類のポップコーンわけっこしよ
うな。」
「うん。楽しい!なんかデートみたいだね」
「だな。これからもちょいちょい出かけよう
な。」
「えっ、いいの?」
「あったりまえだろ」
「わーい。でも…お兄ちゃんもしかして好き
な人にフラれたりした?」
「うー…ん、まあな」
フラれたのか?ま、ある意味失恋したよな。
「なら、リナにも可能性ある?」
でた。
カモフラージュ…。
「うん。あるよ。」
「だから、デートしてくれたんだ。」
嬉しそうな表情を見せてきた。
リナよっぽど父さんを好きってバレたくな
いんだな…。
なんか、オレ錯覚起こしてきたぞ。
リナが本当にオレを好きみたいな顔見せて
くるから。
あの話し声聞かなかったら、完全にわかん
なかったな…。
よかった。
部屋の壁薄くて…
続く。
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