第2話

 オレの妹は、おかしな事ばっかりしている。

 

 

「おにーちゃーん。テスト返ってきたー。ジ

 ャ〜ン‼︎」

「おー、頑張ったな」

「フッフッフ、やればできる子」

「そうだな。でも次から早朝とかやめようよ。

 毎日コツコツやろうな」

「はーい。じゃあ、毎日コツコツよろしくお

 願いしまーすっ」

「いやいや…自分で頑張ってよ。わからない

 ところは教えるから。」

「は〜い。ならそん時はよろしくニャン。」

 

 ニャンって…

 しかもかわいいニャン……

 いやいや!

 妹だ‼︎

 変な感情をこれ以上抱くなオレ‼︎

 

 

 でも、たまに妹というよりか女にみえてし

 まう…

 

 イカンイカン‼︎

 

 

 ブルブルブルブル

 首を振って気を引き締める。

 

「ねー、何してんの?お兄ちゃん?」

「うん。ほっといてくれていいから」

「えー、リナもやるー。水浴びする鳥?」

「うん。まぁ、そんなとこ」

 

 意味がわからないけど適当に返事した。

 

「ならこれできる?」

 

 アゴを前に出したり引いたりするリナ。

「なんだよ。それ」

「鳥が歩いてる時の真似」

 

 あははは

 くだらない。

 でも、笑ってしまう。

 

 

 リナといるとたまに自分もおかしくなりつ

 つある。

 ま、楽しいからいいか!

 

 

 そんなくだらない毎日を過ごしていたある

 日。

 リナが風邪をひいた。

 

 

「みずー…み〜ず〜。おーみーずー。」

 低い声で水を欲しがるリナの声が隣の部屋

 から聞こえて来た。

 

 

 コンコン。

「リナ。入るよ」

「えっ」

 

 ドアを開けるといきなり

「閉めなよ!でなさいな!風邪がうつるから

 ‼︎」

 とすごい剣幕で言うリナ。

 

「少しなら大丈夫。ほら水。」

「?なんで水?」

「えっ、だってさっき水って言ってなかった

 って…」

 

 えーっ…⁉︎

 

 リナの部屋のミニテーブルに五本のペット

 ボトル。

 しかも、ベッド脇にも水があった…

 

 

「水ならたくさんあるよ。ただ歌っていただ

 けですけど。」

 

 はぁーっ…

 紛らわしい…

 

 

「あー…そうなんだ。ならよかった。じゃ、

 なんかあったら呼びなよ」

「はーい」

 

 

 パタン

 

 なんなんだよ。

 歌って…

 

 

 次の日すっかり元気になったリナ。

 

「おー、リナ治ってよかったな。」

「うん。人にうつすと治りやすいって聞いた

 ことあるんだー。」

「誰にうつしたんだよ」

「フッフッフ、お兄ちゃんさ。昨日私の部屋

 に来たときにきっと菌を持って帰ってくれ

 たんだよ。」

「持って帰ってないよ。」

「そうか。残念だ。」

「なんで残念なんだよ」

 あはは

 

 

 笑い事ではない‼︎

 ま、でも治ってよかった。

 

 その日の夕方

 

「リナ、次風呂どうぞ。蓋あけといたから」

「えっ…何してんのさ。蓋を閉めないとか。

 だいたい茶碗蒸しだって蓋して持ってくる

 んだよ!ちゃんと茶碗蒸しを見習ってもら

 わないと困るんですよね〜。うちの商売あ

 がったりですわ。」

「あー、それはすみませんね。」

「わかればいいんですよ。次からきちんと蓋

 しめなさいな。じゃお風呂いただきます」

「はいよ」

 

 茶碗蒸し…

 なんだか無性に食いたくなってきたわ…

 

 

 今日は、バレンタイン

 

「ただいまー。」

「おかえり。おにー。バック見せて。」

「え、なんで?」

「毎年恒例チョコチェック‼︎」

 

 あぁ。

 

 リナはチョコが大好きだ。

 だからチョコをもらうといつもリナにあげ

 ている。

 

「はい。二個だけなんだけど。」

「二個も?これ本命?」

「さー。」

「もしかして、彼女できた?」

「ううん。」

「じゃあ、返事どうすんの?かわいい人?」

 

 毎年質問攻めにあう…

 

「どうもしないし、普通の人だよ。二人共」

「ふーん。二個か…それって一個お母さんで

 もう一個私があげた?」

「違うよ。学校でもらったの!しかも、リナ

 毎年オレによこさないだろ。」

「えっ、おにい私からチョコ欲しいの?」

「そうじゃないけどさ…」

「本当は、欲しいんだ。変態‼︎」

「なっ…変態じゃねーし。うるさいとチョコ

 やんないかんな。」

「あー、ごめんなさい、ください。」

 

「ほら」

 

 嬉しそうにチョコを受け取るリナ。

 そして毎年お返しをリナが買ってきてくれ

 る。

 

 最近、それでいいのかと少し思いつつある。

 

「リナ!」

「んー?」

「あのさ、お返しやっぱりオレが買いに行く

 よ。」

「なんで?やっぱり本命⁉︎」

「そうじゃなくてさ、なんか妹に買いに行っ

 てもらってるとかどうかなぁって」

「ふーん。なら一緒に行きたいなー」

「うん。じゃそうすっか。」

「わーい。デートだー‼︎」

「デートでは、ない‼︎」

「そこ、いちいち断言しない‼︎バチが当たり

 ますよ‼︎いいですか⁉︎」

 

 なんでだよ…

 

 ま、とりあえず返事しておいた。

 

「へーへー。わかりましたよ。」

「わかればよろしい。」

 

 そして、二人でお買い物に行く事になった。

 

 続く。

 

 

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