第50話 依頼失敗!?

 仕事のあるネロさんを残して、魔王様と街の東にある草原に来ていたのだが‥。


何処を探してもいっかくうさぎがいなかった。

それどころか討伐対象ではない他のモンスターも全然現れなかった。


「おかしいなぁ‥受付嬢さんの話だと、そこらじゅうにモンスターがいるって言ってたけどなぁ‥。」


仕方がないので念の為に持ってきておいた、モンスターの餌を撒いてみる。


少し離れた場所で待ってみるが、餌に寄ってくるモンスターは現れなかった。


「マズイ!このままだと依頼失敗になってしまう。Gランクなので下がる事はないけど、最初から失敗するのは問題だ。しかもモンスターに負けたわけでなく、遭遇出来ないのはしょぼ過ぎる。」


何が原因なんだ!


俺が悩んでいると魔王様が笑顔で話しかけてきた。


「そろそろお昼ご飯にしないか?」


依頼が進んでいないので断りたかったが、魔王様の笑顔に負けてお昼を頂く事になった。


地面に大きな布を引いて、モニカが作ってくれたお弁当を食べる事にする。


そういえば、この世界の食事は日本食はないがパンなどは普通にあって、今日のお昼はサンドウィッチだった。


お昼を食べて寝っ転がっていると、離れた場所に大きな鳥を発見した。


かなり遠いので襲われる心配はしていなかったが、色が鮮やだったので自ずと観察してしまった。


大きな翼を広げて優雅に飛んでいる。


ん?急に反転してさらに遠くに行ってしまっま。


そういえば他の鳥も何故か急に反転してしまう。


ん?何かに怯えている??


怯えさせるような凶暴なモンスターはいないけどなぁ。


ココにいるのは俺と魔王様だし。


??

魔王様???


「魔王様、一つ質問してもいいでしょうか?」


「何を改まって‥、何でも聞いてくれ。」


「レベルの高いモンスターがいると、弱いモンスターは寄ってこないとかってありますか?」


「ん‥、そりゃー強いのがいると近寄ってこんぞ。人間もそうだろ?最強性悪執事がいたら本能的に避けるだろ?それと同じだ。」


性悪執事って‥後で怒られても知りませんよ。


それにしても、いっかくうさぎがいないのは魔王様が原因だったとは‥。


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