待ち合わせ場所からラーメン屋へ行くまでに関西の男子大学生がしそうな話

「お待たセルロイドー」

「おう。…セルロイドってなんやねん」

「ちょい待ち、ググるわ。…世界で初めての人工プラスチック素材やって」

「ふーん。初めて知ったわ」

「俺もー」

「まぁ、明日には忘れてると思うけど」

「いや、意外とこういうの覚えてるもんやで」

「そんなもんか?まぁええわ。早よラーメン食いに行こや」

「せやな!もうお腹ペコペコ!ペコリンピックやで!」

「そんな選手皆飢えてそうな世界大会嫌やわ。どんな競技すんねん」

「パン食い競争を色んな競技でアレンジする感じやなー」

「例えば?」

「棒高跳びでパン食ったり、走り幅跳びでパン食ったり、水面のパンめがけて飛び込んだりやな!」

「見てる方めっちゃおもろそうやな。そしてやってる方確実に口パッサパサなるな」

「選手村にはジャムとバターが常備されてまーす」

「俺マーガリン派やねんけど」

「マーガリンはドーピングとみなされまーす」

「なんでやねん」

「あー、そういや腹ペコの『ペコ』ってなんなんやろな?」

「急やなお前…。物がへこむ時の擬音やろ。腹がへこむから『腹ペコ』」

「なるほどなー。でも俺ここに来る前ジュース飲んでてんけど、飲み終わってへこましたアルミ缶『クチャキチチ…』って音したで」

「じゃあお前今日から腹へった時に『お腹クチャキチチ…やー』って言えよ」

「ええで!俺が流行らして広辞苑載せたるわ!」

「明日には絶対忘れてる件」

「覚えてるって!…多分。お、着いた着いた!ここやで」

「おー、今時珍しい隠れ家風の店やな」

「やろ?たたずまいがもう美味しそうやな!」

「なんやそれ…。ほな入ろか」

「おう!」


~翌日~


「お待たセミファイナルー」

「世界初の人工プラスチックどこいったんや」

「そいつは予選敗退や」

「なんやそれ」

「それより早よ行かな学食混むで!俺朝からなんも食ってないから、お腹パッキャラマードパッキャラマードパオパオパパパやでー」

「お前昨日の会話内容完全にバグってんな。飯食う前に腹の中の壊れたクラリネット摘出手術や」

「お前すごいな!」

「何が?」

「『てきちゅじゅちゅじゅつ』って噛まずに言えるの!」

「…お前今日は揚げもん食えよ。口に油入れたらお前もスラスラ言えるようになるわ」

「じゃあミックスフライ定食で決まりやな!」

「せやな」


おわり

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