ハンバーガー屋で関西の男子大学生がしそうな話

テロリ♪テロリ♪テロリ♪テロリ♪…

「トゥツクタァーン…トゥツクタァーン…トゥツクタァーン…トゥツクタァーン…」

「さっきからポテトのできあがり音に、へたくそボイパのせんのやめろや」

「だってー、スマホお前ん家に忘れたから暇でしゃあないねん。映画始まるのにまだちょっと時間あるしさぁ」

「それは忘れてきたお前が悪い」

「家出る前に言ってくれよー。『スマホとお財布とハンカチ持ったの?』って」

「ホンマに言うたらよかったわ。そしたらスマホと財布忘れて、なぜかハンカチだけ持ってるアホに昼飯代貸すこともなかったし」

「俺は紳士やからな!ハンカチ常備は紳士の嗜みよ!」

「一文無紳士がえばんなや。映画のチケット代含めて後で返せよ」

「わかってるって!わかってるから…ポップコーン代もお貸し下さいませー」

「まぁ、しゃあなしな。ポップコーンは映画の必需品やし」

「そうそう!ひちゅじゅ品ひちゅじゅ品!」

「言えてへん言えてへん」

「いやーそれにしてもツイてないわ。頼んだバニラシェイクもなぜかストロベリー味になってるし。バーガーのピクルス抜いてって言ったのに、なんかすげーピクルスマシマシになってるし。一体どういうことやねんこれ…」

「それはお前が外国人の従業員に対して『シェイクはぁ、ノーストローでいいでぇす!』とか、『アイ、ライク、ピクルス、ナシナシバーガー、ベリィマーチ!』とかアホ注文言うからやろ」

「そう言った方がちゃんと伝わると思たんや…。まさか『ノーストローでいい』が『OH!ストロベリー』に。『ナシナシ』が『マシマシ』になると思わんやろ…」

「そもそもなんでシェイクにストローいらんねん」

「シェイクってドロドロしてるやろ」

「そりゃシェイクやからな」

「せやから、ストローで吸ったらストローの内側にちょっと付着してもったいない気がすんねん」

「微々たるもんやろそんなん」

「塵も積もれば大和撫子やんけ!」

「意味不なことわざを生み出すな」

「でもストローで飲んだ方がやっぱ飲みやすいな!底のシェイクも残さず飲めるし!」

「やっと文明の利器に気づいたか、アウストラロピテクス君」

「誰が猿人やねん!」

「人間扱いされたかったら、忘れもんする癖直せよな」

「うーす」

「お、そろそろええ時間や、映画館向かおか」

「せやな!楽しみやなー、ポップコーンとチュロス!」

「楽しむのはまず映画やろ。あとなに勝手にチュロス足してんねん」

「まぁまぁ、ちゃんと半分あげるからー」

「そういう事ちゃうねん!」


おわり

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る