第329話 アルヒオーネ平定

 暫くの間は警戒が必要だろうが、基本的には討伐が完了したと判断する。

 その為俺は大陸の統一の宣言を行い、新たな体制をスタートする事とした。


 アルヒオーネ大陸もヘイラニア大陸同様大きく傷ついていた。

 バルバロッサ地方のダメージよりも全体的に大きい。

 殆どの国が魔王軍による攻撃を受けていたからである。正確には魂食いだ。


 そしてあの異星人だ。国の全てが死に絶えている、そういう凄惨な状況だ。

 混乱が大きく暫くは苦労するというのは一般的な考えだ。

 ただ、兵士の半分を町の復興や街道整備要員に充てられるのと、俺が大量の資金を注ぎ込む為、復興特需が見込まれる。そのお陰で経済的には 大きく発展する可能性がある。


 ただし人員の不足だけは如何ともし難い状況である。そういう状況下で新政府を樹立した後、俺は暫く休みを取る事にした。とは言っても午前中は当面の間、総督との会議があるので午後から妻達と過ごす時間になる。

 そのお陰もあり、特に生まれたばかりの赤ん坊と過ごす時間が毎日ちゃんと取れている。

 みんなの愛情を一身に受けてすくすくと育っている。


 妻達とのデート先として、アルヒオーネの何処かの町を選んでいた。

 まず大丈夫だとは思うが、念の達変化の指輪で姿を変えている。殆どの妻達は見た事のない土地に興味津々だ。町を案内したりして幾日かを過ごしていた。

 俺はまだ知らなかったのたが、アルシオーネとヘイラニア大陸は大陸とはいえ、この星全体から見れば小さな大陸だった。というのも2つの大陸を合わせてもオーストラリア大陸の半分もなかったようである。

 残念ながら俺には測量の知識や、地図作成の知識というものはなかった。

 その為この大陸の大きさというのをきちんと把握できていなかったのである。それと星そのものの大きさもだ。大陸について、星全体から見ての面積の比率が分からない。


 また、復興が落ち着いてきたので、先延ばしになっていた事をしなければならないと重い腰を上げざるを得なくなった。


 すっかり忘れていた天界の事について、何故か急に思いだしたのでオリヴィアと話し合う事にした。


 すっかり忘れていたのであったが、何故かふと思い出したものであるか、いくら考えても不思議だった。

 残念ながら俺単独では天界には行けない。

 ただし、一度天界に行きさえすれば、俺のゲートでまたこちらに戻って来る事が可能だ。


 それだけは分かっているのだが、まだ試していないが、分かっているのは オリビアと裕美この2人の手を握りながら3人のスキルを合わせると天界に飛べる筈だ。以前一度実行直前まで試していて分かっている。

 ただ、何が起こるの分からないので決断ができずにいた。そう、話し合いをした日までは。

 オリビアと相談を始めた途端に、ナンシー達が慌てて話し合いの場に現れた。


 ナンシーが珍しく慌てていたのに驚いた。


「ラ、ランス、大変なの裸の女が降ってきたの!」


 支離滅裂だった。裸の女が降ってくる訳ないやろと思うが確認する。


「ナンシーにしては珍しいな。普通裸の女なんて降って来ないぞ?天界から天使でも墜ちてきたら別だろうけど。まあ、取り敢えず落ち着こうな」


 落ち着いたナンシーによると、どう見ても天使と思われる死体が空から降ってきたのだと言う。正確には落下した時はまだ生きてはいたが、ナンシー達が駆けつけて救助をしている最中に息を引き取ったのだと言うのだ。

 仕方がないので、俺はその天使を死者蘇生をしたが、俺の身に何が起こったのか全く覚えていない。


 気が付くとベッドで寝かされていたのだ。そして慌ててアリアの所に連れて行かれ、訳が分からぬまま死んでいるアリアの姿を見る事になった。

 そしてまだ死んでから丸1日経っていないと言われ、アリアへ死者蘇生を行った。


 その後、俺は数時間してから起きたのだが、ナンシー、オリヴィア、アリアの3名に説明してもらった。


 どうやら俺は天使を死者蘇生している最中に、心臓が破裂して死んでしまったようだ。


 そして俺を生き返らせる事ができるのがアリアである。 アリアの場合は己の命を贄とし死者を蘇生させる事ができる。


 ただアリアは俺が生き返らせてくれるという事を信じ切って死者蘇生をしてくれた。


 当然俺はアリアを蘇生させる。そして死者蘇生に伴って気絶し、そこから起きた状況だと言うのだ


 頭は回っているが、体がいう事をきかない。その為に生き返った天使と話をするのは体力が回復してからとなった。

 経験上1時間も寝ていれば正常な意識状態にまで回復でき、記憶もしっかりしてくるので、アリアの添い寝にて1時間位休むのであった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る