第269話 最初の幻影実現す

 セレナは痛がったが、嬉しいと泣いていた。この部屋の窓からは海が見える。

 そう言えば途中からセリカの姿に変わっていたっけな。

 俺は果てた後、少ししてから裸のセレナをお姫様抱っこして窓辺に立つと、愛していると叫んだ。


「セレナ愛している。この世が終わっても、周りが全て敵になろうとも。セレナの事を愛しているんだ。君が俺の導き手なんだ。俺を導いてくれ!あああいいいしししててていいいるるるるるるぅ!!!!」


 叫び終わるとセレナが大粒の涙を流していた。


「ああ、あの時と一緒だわ。この世界に来て最初に触れたのが志郎で良かった!初めて触れた時に見たまんまだよぅー!愛しているの!気が狂いそうだったのよ。志郎がいないこの数カ月は本当に辛かったの。寂しかったのよ!」


 今まで何か足らないと違和感が有ったが、それもなくなった。

 その後しっかり手を結び眠りについた。


 次ぎに目覚めると、無事に刻印が刻まれていた。

 これで正式にセレナが妻になった。

 危なかった。後数分の猶予しかなかったのだ。魂食いに魂を喰われ、残りの寿命が極僅かだったのだ。


「俺達は死ぬ時は一緒だよ。俺が死ぬとセレナは数分以内に命が尽きるからね」


 セレナが愛おしい!頭を撫でてキスをした。


「辛くないか!?おはよう奥様」


「うん大丈夫よ。やっと一つになれたのね。今までで一番幸せなの。生きていて良かった。死んでいったクラスの子達の分まで生きていかなきゃね」


 それから他愛もない話をし、ゲートでワーグナーの皇帝宮へ行こうとしたら行けない!当たり前だ!行った事が無いのだから。逆にセレナが俺を連れて行ってくれた。


 そして各所へゲートを出して妻、婚約者、俺の隷属契約者の所へゲートを出して大食堂に集めた。


 ナンシーが皆に集まるよう指示をしていた。

 シェリーが司会をし、俺の帰還の報告会が始まった。


「まずセレナさんが正式に志郎の妻になりました。おめでとう!」


 そう言うと一斉に拍手とおめでとうコールが起こる。


「それじゃあ続いて、新たに妻になった裕美さんを紹介するわよー!」


 裕美がドヤ顔だった。


「皆分からぬか!儂じゃよ。ダンジョンで5ヶ月程小僧と一緒にいてのう、今の体にして貰ったのじゃ!」


 裕美の話が始まり、キングの正体が自分だったと伝えると皆絶句していた。


 そしてアイギスとウリアが俺の前に出てきて、各々が報告してきた。先に伝えてきたのはアイギスだった。


「あなたの初めての子よ!私とウリアが身籠ったのよ」


 次いでウリアがお腹を撫でながら報告した。


「私達がランスの最初の子を生むのよ!ねえねえお腹を触って!」


「うおおおおぉ!よくやった!うんうん。おめでとう!そうかあ!俺も遂に父親かあ!」


 そう言いウリアとアイギスのお腹に顔を当てて、その膨らみを感じた。お腹の膨らみが前に出る体質の為か、昨夜は妊娠に気が付かなかったのだ。


 他にはナンシー達一部の妻に避妊せずに子作りをしていたが、結局身籠ったのは2人だけだったが、2人は皆の祝福を受けている。子育ては勿論母親を中心になるが、コロニー全体で愛情を注ぐ事になる。


 その後各総督を集めて帰還を報告をしたが、色々な問題を伝えられたりした。

 そして同席していたルシテルが相談役に退く旨を報告し、タオを正式に総督とする旨を伝えた。大きな事はこれ位で、別途呼んでいた奴隷局からの欠損奴隷の持ち込みや、保護状況を報告して貰った。昨日の今日なので当然不正確な事を承知でだったが、まだまだ先は長い。


 俺は今日これから欠損奴隷の欠損修復を行いに行く。

 その後は妻達の相手だ。

 当面午前は皇帝としての政務を行い、午後からはプライベートな時間とした。


 当面のローテーションをどうやって決めるか分からないが、昼食後妻達の相手だ。如何せん人数が多い。

 2時間置きに入れ替わる。昼から2人、風呂と食事をしてからもう1人、そして一緒に寝る2人。


 こんな感じで全員の相手をする。勿論添い寝は刻印の儀式があれば別途行う事となる。

 刻印を希望する者が新たに5人いるが、まだ妻に迎えると決めてはいない。

 水樹やレフトアイ達は20歳まで待つ事となった。知らぬとはいえ、シェリーや当初奴隷として来た面々を20歳未満で、シェリーの場合17歳で年齢を固定してしまった。色々な年齢層の妻がいる事になるが、やはり待てるならば大人の女性として20歳になるのを待とうとなった。

 この者達は良い。もう妻と一緒だ。年齢的に刻印の儀式をしていないだけだから。


 また、クロエに預けた5人、つまりこの誘拐され四肢を切り落とされ、救助後欠損修復をした前衛4人、後衛1人の冒険者達は、俺のハーレム入りを希望していた。希望をしたのは俺が皇帝だと知らずにだ。


 大陸統一の事があり保留にしていたのだ。

 今ではブラックスワンに並ぶ勢いの全員S級冒険者だ。そして今は俺の親衛隊だ。


 俺に命を救われ、そして惚れたのだ。しかも愛の覇者とは関係なくにだ。その後になるがやはり愛の覇者が発動しはしたが、俺の為にいつでも命を投げ出すと言う。

 現在18、18、19、20、21歳だ。俺の為に必死に頑張っているのは知っていたし、そんな彼女達が健気で愛おしい。


もう先伸ばしにする事にもできず、特に20歳と21歳の2人には焦りも見える。まずこの2人だと思い、妻達の相手を一巡したらデートをし、妻に迎え入れたいのだ。既にナンシーからの報告で実態のよく分からない妻会議で承認されているというのだ。


 そんな感じで、今後の予定を決めていくのであった。

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