第235話 ダンジョンを探そう!

 俺達はシューマン山の麓に来ている。ありがたい事にセレナが既に辿り着いていたから、即行けたのだ。


 というか、辿り着いたからこそ、今ここに来る事になった。


 そうして山麓に来たのは良いのだが、ここはのどかな田園風景の中にある小さな山だ。


 これがピクニックであるのならば、敷物を敷いて皆で弁当を食べるのも良い。人目がまるでない青空の元で大胆にあんな事やこんな事を・・・いや違う!残念ながら今日はおっさんに会う為に来たのだ。


 因みに一緒に来ているのはナンシー、シェリー、セレナ、ブラックスワン、アンバー、レニス、レーヴェン、アリゾナ、ホーネットだ。残りは復興支援の為置いてきている。

 セレナ、ナンシー、シェリー、ホーネット以外のメンバーは誰が決めたのか?じゃんけんで勝ち取ったと聞こえた気がするが、スルーした。


 山の裾に小さな湖があり、そこには小さな小屋が建っている。景色は良さげだけど、山が崩れたらヤバイ場所だよな?等と景色を見ていた。あそこに住む人に迷惑が掛からないようにそっとしておこうと心に決める。


 おっさんから以前聞いた話だと、確かダンジョンに居るって事だから、まずはダンジョンの入り口を探そう!となり山を皆でくまなく探索する事になった。


 2時間位だろうか、分散して探すも見付からない。

 先程見えた小屋が見える所を集合場所として、どうやって探すか話し合う事になった。


「皆色々見ていると思うが、おかしいんだよな。この人数で探しても見付からないとは。俺も空から探したけど、それらしいのは無いんだよな」


 アリゾナが報告してきた。


「確かにあれだけ探しましたし、ホーネットに至っては頂上まで見てきております。獣の巣穴すら有りませんでしたな」


「じゃあ、各自さっきとは違うエリアを探索して見ようか。別の者の目で見れば見付かるかもだからね」


 皆が動こうとした時、獣人のアンバーが遠慮がちに手を挙げた。


 彼女はかなりの人見知りで、いつも後ろに控えていて目立たないようにする性質があり、注目されるのが苦手だ。だがしかし今は皆の注目を集めていた。


「どうした?」


「あっあのですね、もし違っていたらあれなんですけれども・・・」


「うん。気にしないで!違っていた時に文句を言うのはホーネット位だからね。何か気が付いた事があるのなら教えてくれると嬉しいな!」


 そう言うと嬉しそうに話し始めた。


「あのですね、あの小屋を誰か見に行きました?」


「誰か行ったっけ?」


 皆が首を横に振る。


「あそこって何故誰も見に行かないのですか?」


「あそこは行っちゃあいかんやろ?」


 皆頷く


「私も少しそう感じるのですが、多分あそこには近付く事を忌避させる魔法か何かが掛かっていますよ!行くべきです!」


「何か神聖な場所で行っちゃあいかんと強烈に思うのは魔法だと?」


「ランスロット様に効いているので多分ギフトかスキルだと思います。この人数に効いているのでかなりの実力者ではないかなと思います」


「キングのオッサンならやり兼ねないな。分かった。行こう!」


 そう言い小屋に向かう事にした。


 そして引き返せと頭の中に直接声が聞こえ、更に強く木霊するのだが、俺達は強い意思を持って進む。

 そして入り口に辿り着き、ドアをノックする。

 しかし反応が無い。

 そして俺が扉を開けると何かが向かって来た。


 そして志郎の額には矢が生えており、床に赤い染みが作られて志郎が倒れて皆が慌てて叫ぶ羽目になった。


 そしてその矢には紙が結んであり、メッセージが添えられていたのであった。

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