第193話 ダンジョン2日目
俺はふと目覚めた。
何かを揉んでいる。
ドロシーかメイベルを抱き枕にしているようだ。
寝ている振りをして揉み揉みして堪能していると声が掛けられた。
「あっランスロット様!お目覚めですよね?は、恥ずかしいのでそろそろ私の胸を揉むのを止めて頂ければと思います。勿論このまま刻印でも良いのですが、出来ましたら、そう言う事は2人きりの方が嬉しいのです。我が儘を申し上げてまして申し訳有りません」
どうやらメイベルを抱いていたようだ。あいやー!やらかした。
ダンジョンから出たら娶ると言ったから完全なやらかしではないのだが、どうやら恥ずかしい思いをさせてしまったようだ。
「ごめんよ。寝ぼけていたみたいだね」
そうこうしていると俺のお腹が鳴ったので朝食となった。ナイスタイミングだ。俺のお腹はできる子らしい。
気を取り直しリスタートだ。
21階層からも人工の床と壁のダンジョンであり、気持ち悪い位のマス目状だ。道は分岐していても最後には主要な道に合流するのでどの道を辿っても行き着く先は同じらしい。魔物も徐々に強くなっていったり、数が増えてはいるが特筆した事柄はない。
怖い位順調に進んでおり、昼頃には30階のボス部屋に来ていた。
通常の個体よりふたまわり程大きなミノタウロス?だった。
ホーネットがやりたいと言うので、やらせたら軽業師の様にミノタウロスの腕やら武器やらを伝いながら頭上に駆けていき、辿り着くと同時に華麗な回し蹴りを決めた。
見事に頭が吹き飛び、あっさりとボスを倒していた。
ドロップは魔石とホーネット向けの軽業師の鎧だった。
ホーネットがフラグとしか思えないような終了宣言をする。
「よっしゃーこれで帰れるぜー!」
そう言うと皆が労いと、帰れるねと同意していたが、俺はジト目だ。そう、ボスがあまりにも弱過ぎたからだ。 だが、皆のはしゃぎようから、俺も終わりのような気がしてしまった。流されました。
そしてアリゾナ以外、皆意気揚々とボス部屋を出るのであった。
俺が先頭でボス部屋を出ようとすると、いきなりアリゾナに首根っこを掴まれドアに引き戻され、そして吹き飛んだ。
「何かいますぞ!」
俺は油断していた。
しかし、アリゾナは違っていた。
確かに入り口を何かが飛んでいった。
「ありがとう」
「先のダンジョンとは何がが違いますぞ」
俺は手鏡を使い、ドアの外を確認してみる。
小さいので何であるのかとはっきりとは言えないが魔物が居た。
俺の気配察知ではボス部屋の中からだと気配を感じられないようだ。
アリゾナのは種族特有なのか、スキルとは違う野生の勘だ。前にもあったな。
俺は指を外に出して、ファイヤーボールを強目に出し、そいつらを駆除した。
先頭をアリゾナに変えて何かないかを確認する。
床にはドロップの魔石があるだけだった。
反省しなければならない。皆は死んでも俺さえいれば復活出来る。しかし俺は無理だ。それを思い出したのだ。
ダンジョンの作りは21階層以降と殆ど変わらない。
俺達はため息をついており、皆の顔にこの先について不安の表情が出ていた。
「どうやら簡単には帰してはくれないようだな。さあ、気を引き締めて先を進もう」
俺達は不安を感じながらも先に進んでいった。
その後は特に誰かが苦戦する事もなく、俺達は現在80階層のボスを倒した所だ。行けども行けどもダンジョンが終わらない。
1日辺り20階層を進めんでいる。
流石に皆に焦りの色が見える。
オリヴィアに聞くと、現在この大陸で確認されている地下型ダンジョンは50階層が最高だったと言う。
出てくる魔物は徐々に強くはなっているが、このフロアのボスはオリヴィアを除いた女性陣のみで戦った。しかしあっさり倒してしまった。それほど強くないのだ。
今日はこれで野営になり、俺は皆を集めて会議を行った。
この先どうするかについてだ。俺の意見は後で言うとして、忌憚のない話をする事にした。
「今後の事についての話し合いだ。皆の意見が欲しい。ただ、まず現状を伝える。この人数での食料は恐らく残り25から27日分位ある。現在ダンジョンに入ってから既に4日経った。先に進むにしても引き返すかはは食料の関係で、11日後には決断を下さねばならない」
特にホーネットは楽観的で、100階で終わりだろうと。確かに俺もなんとなくそうではないかと感じている。
ドロシーとメイベルのみ、食料が尽きるまで進もうと。
中には俺とアリゾナの2人が先に進み、残りが引き返すと言うのも有った。
俺は決断した。
「意見をありがとう。決断したよ。俺の個人的な意見は多分100階で、明日で終わると直感として感じている。勿論根拠はない。終わらなかったら食料が持つぎりぎりまで進み、11日後に引き返す。残念だが引き返すのも勇気だ」
皆頷き、俺を頼ってくる。現在の純粋な近接戦闘力ではアリゾナの方が強いし、膂力も上だ。見た目も奴の方が迫力がある。
しかし、彼は俺の守護神であり、リーダーではないとこの手の決断を避けている。
場合によっては総督を引き受けて貰おうかと考えたが、彼の希望は俺の近くにいたいと言っていた。
話が終わったので解散し、明日は大変そうなので早目に寝る事にした。
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