第144話 指導
朝明るくなってきて心地良い感触に幸せを感じながら目が覚め、セチアの胸に抱き寄せられているのに気が付くと昨日の事が頭をよぎり、愛とおしく感じていた。
ちょっとぺろりとしてから胸に耳を当て暫く鼓動を感じている。
三
結局躊躇していた刻印の儀を執り行う決め手は、俺が中々セチアに刻印を刻んでいない事に疑問を感じたタオに理由を聞かれ、避妊の事を言うとクリーンの使い方を教えられ解決したからだ。
そろそろ朝の鍛錬の時間の為起きる事にした。
「おはよう俺の大事なセチア♪」
「おはよう愛しい御方」
朝の挨拶をし、軽くキスをした。
「昨日は素晴らしい1日だった。改めて言うね!愛しているよ!俺だけのセチア。今日一日辛いはずだから基本的に食事などの時以外は寝ているんだよ。もう少しこうしていたいけど、朝の鍛錬があるから行ってくるね」
「うん分かってるから大丈夫です。今私は幸せです。気を付けて行ってきてくださいね!」
セチアを残して着替えをして早朝のランニングに向かうとクロエが玄関先でいきなり抱き付きキスをしてきた。
格好は動きやすい服を着ていて俺とランニングをするらしい。
「おはようクロエ。今日も素敵だよ」
「おはようランス。あ、あのね昨夜のキスは実はね私のファーストキスなのよ。だからね、もう夫婦で良いよね!」
おれはびっくりした。この妖艶さで生娘というのにも驚いたがキスもしていないとは驚いた。
「えっ!こんなに綺麗で魅力の塊のクロエがキスは初めてって流石に驚くよ」
「うふふ。実はね、父親の立場があるのと、自分で言うのも何だけれども美し過ぎて皆気後れして萎縮してしまうのよ。私はねそんな意気地無しには興味が無くてよ。
人目も気にせずに無理やり唇を奪ってくる度胸のある殿方を求めてきたの。そんな剛胆な方が居なくて恥ずかしながらキスもだし、生娘のままだったの。だからね私の父が誰か知った上で対等に接してくる貴方が眩しいのよ。愛しい御方」
「そうか、貴族の娘ってのも大変なんだな。今から走り込みをするけど一緒に行くよね?」
「ええ勿論ご一緒致しますわ!只ちょっと待って欲しいの。そろそろあの子も来る筈だから」
準備運動をしていると2分位で動きやすい服を着たオリヴィアがやってきた。
オリヴィアもそうだがクロエも味気の無い運動着の筈がボディーラインがくっきり出ていて何故か俺の心を昂ぶらせるのだ。何を着ても似合うし、セクシー過ぎた。でも二人の姿に欲情している素振りを必死に抑えた。
「おはようオリヴィア、化粧をしていなくても綺麗過ぎるよ」
モジモジしながら挨拶をしてきた。
「お、おはようございます!旦那様」
既に旦那様呼ばわりされている。
「今から走り込みだけど一緒においで。30分位走るけど良いかな?」
二人が頷くのを確認して準備運動をしてから走り出す。最初はゆっくりで様子を見ていたが、問題なさそうなので普段のペースにするも2人は難なく付いてきていて、遅れる事もなく屋敷に戻った。
その後軽く体を動かしていると、間もなく朝食の準備が整うのでお風呂に行ってきて下さいとメイドさんが言うので風呂に行く。
3人で入る事になるが、2人とも躊躇なく俺の前で服を脱ぎ捨て、その見事な裸体を俺にさらけ出し、ちょっと挑発が入っているが、俺は訓練の時は賢者モードを発動できるので裸体を鑑賞したのは数秒と理性を総動員である。
俺に理性が保たれているのをしげしげと見つめられてちょっと恥ずかしかったが
「あらあら私達2人を前に随分と紳士なのですね。先程の走り込みは見事ですわ。この私がついて行くのが精一杯でしたもの」
「俺も驚いたよ。加減しなかったから、おいてきぼりになるかもだったけど、まさか最後まで付いてこれるとはね!やるね!」
ニコニコしながら俺の背中を洗ってくれる。2人が俺の体を洗ってくれるので、俺も2人の背中を洗ったのだが、前は洗えなかった。流石に理性が飛びそうだからだ。勿論2人が俺の前を洗うのは断った。
2人に俺の隷属契約とスキル付与の能力を話すと、躊躇いもなく奴隷契約を行う事となり、勿論いつでも解約できる内容で契約を行ったが、胸の感触に勝てず息子さんが成長してしまい、俺はひたすら謝っていた。
次にランクの低いスキルをお試しで付与したが、やはり2人とも失禁してしまい、スキル付与を行うとどうなるかを身を以って体験して貰った。
なので、今晩寝る前に肉体再生を付与する事となった。流石に俺に何が起こるのかを伝えていて、理性が飛びそうだし、そう言う目で見てしまうのでバスタオルを巻いて貰って居たが、説明をしていただけあってか、2人共付与後に文句を言わないのには感心した。
鍛錬用の服に着替えて朝食を終えると、丁度指南役が来たところだった。
年齢は20代後半と予測に反して若く、赤髪のイケメンなのだが、クレイ殿に予め言われている事がある。お尻に気をつけろと!
イケメンさんはそっちの方面の方でした。
軽く握手をして、実力を知りたいとの事で先ずはスキル有りでの腕前を見る事となり、木剣で模擬戦を行う事となった。
俺は前面から切り結び、剣を撃ち込んでいく。やはり軽くあしらわれた。剣を振りかぶって剣に当たる直前に斜め後ろに転移をし、首筋に剣を当てることが出来た。
次に転移を封印した状態でと言われたが、切り札を抑えられてスキルで剣豪が発動されている筈が話にならなかった。あっさり剣を弾き飛ばされたので、無手の戦闘に切り替え、懐に飛び込み襟を摑むと言うより、何をするのか見る為にわざと掴ませたっぽいのだ。俺は大外刈りを決め込んで叩き付ける直前に、加減をして地面に頭を打ち付けないようにした。
「これは驚いた。剣戟は全然駄目だが、初めて見る格闘術だね。分かっていれば警戒するが、初見で相対すればひとたまりもなさそうだね。剣筋を極めて格闘術を織り込めば良い剣士になりそうだよ。そう言えばお互い自己紹介がまだだったね。私はクレイ様の指南役をさせて頂いているマクギーと言います」
握手を求めて来たので改めて握手をした。
「S級冒険者のランスロットです。見ての通りスキルと魔法頼りの戦闘で、純粋な剣技は初歩の初歩だけなんです。ちゃんと訓練を積んだ相手に後れを取っているので、是非鍛えて下さい」
そうして剣の訓練を付けて貰う事になり、基本的に午前に訓練を行い、午後からは用事を済ませたり冒険者として活動するか、やる事が無ければ昼寝をしろと言われている。5日間修行を行う毎に1日を休息日とし、その日1日は訓練の禁止日とする。
息抜きをしなさいと言い、詰め込み過ぎても害にしかならないと、時折心身共にリフレッシュせよと申し伝えられた。
今日はどんどんスキル使用に対して制約を増やしていき、最後は剣術スキルも封印するように指示をされた。そうやって俺の今の状態を確認して本日は終わったのであった。
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