第100話 歓談

 次は食堂に行き残りの男性組を治して行きます。

 めんどくさいので男性陣については執事のセバスチャン以外は元の名前を名乗らせます。俺の扱いは男性と女性では勿論違います。そう!そうです!執事と言えばセバスチャンですよね!だからこれだけは外せません!嫌がってもです!


 そんな中1人の男が俺にこっそり、しかも言いづらそうにお願いをしに来ました。宮廷魔道師です。


「あの、そのですな、無理な頼みとは分かっているのですが、その、あれを再建できないでしょうか?」


 意味が分からないので聞き返した。


「あれって、なんでしょうか?」


「これは失礼しました。私は宦官にされてしまったんです。つまり竿無しなのです」


 なるほどそういう事か!それは一大事だよな!


 俺は頷くと、黙って欠損修復を唱える。すると腕が生えて来た。それと男にとって命の次に大事な所もだ。ただ、それを見たくはないから適当で良いかな?と俺のより少し小さくして再建した。


「トイレに行ってこい」


 それだけを言い他の男衆も次々と治していった。

 最後の1人が終わった頃にトイレから戻ってきた魔術師の男が土下座をしてきた。


「ああなんて事でしょうか!一回り太く、さらに長くまでして頂きました。腕の修復よりも有難い修復です。何でもお申し付け下さい。私の忠誠はランスロット様の物です」


 そうやって感謝をしていたが、それを見ていた周りの修復奴隷も全員が土下座をし、一斉に感謝と忠誠を誓い始めた。うーん、俺のよりちょっと小さ目にしたのだが…


 しかし困った状況だ。


 完全に神扱いをされてしまったようだ。

 周りの仲間達は皆うっとりとその様子に恍惚を感じているようで、ナンシーも頷くのみだ。

 ここは日本の常識人と思いセレナを見るが既に俺の信奉者だった。


 つまり誰に聞いてもどうにもならない。

 俺は皆に顔を上げて立つように言うも誰も立ってくれない。仕方が無いので俺も土下座した。


「皆が立つまで俺はこうしている」


 と言うと皆慌てて立ち上がり、いち早くミザリィとサラが俺を起こしてくれた。


「夕食の準備をしようね。新入りは部屋の準備だ。先ず男性陣の部屋に行き、次は女性陣だ」


 俺は男性陣を引き連れて男性用の部屋に行き、シングルベットを4つを適当に出してその場に置いた。

 部屋長はセバスチャンにした。

 セバスチャンには明日以降だが、メイドを含めた屋敷の運営の中心的な立ち位置になって欲しいと伝え、残りの男3人には冒険者パーティーを組んで活躍するのと、稼ぎの半分は自分のお金にするように指示をした。


 これはナンシーとシェリーに相談して半分を献上する位でも大判振る舞いだそうだ。

 4人とも驚いていた。セバスチャンには給金を出すと言っている。


 ナンシーの部屋はベットを置いておき、次に元の5人には個室を与えた。取りあえずベットを置いて回り、配置は各々お互いに手伝って考えるように話を付けた。

 クレアは母親と暫くは同室にして欲しいと言うので了承した。と言うか提案するつもりで既に準備が終わっていたりする。


 新入りの女性奴隷は8人。アイギスは娘と同室だと伝え、7人が同室になる旨を伝えた。いずれ部屋割を変えていき、人数を少なくしたり、個室にすると思うと伝えた。

 先日買ったのと、注文分を引き取ったのが有る為、何とかベッドを人数分用意できた。ベッドを出して布団をベットの上に置いて回り、布団を整えるようにと指示を出した。ついでに机と椅子を2つ置いておく。

 それと大事な事として、皆にはちゃんと布団で寝るように指示を出した。


 シェリーがくじを持っていて、アイギスを含め、新入りの女性陣にクジを引かせていた。

 部屋の位置決めかな?あっ違ったんだけどね。アイギスがいる時点で部屋の位置決めはないのだけれどもね。


 俺はナンシーにちょっと相談があると執務室に連れて行き後を任せた。


 残りのメンバーで夕食を作って貰っている。


 ナンシーに相談した。

 俺はしたいというのを気が重い風を装った。ナンシーは嘘を見抜くが嘘じゃ無ければ分からないんだよね。


「やっぱりあいつらに刻印の儀をしなきゃならないんだよな?ナンシーは俺が君以外とそういう事をするのは嫌じゃ無いのか?」


「ううん。私の事を大事にしてくれるんなら問題ないよ。これは貴方の義務なんだからね。お勤め頑張ってね。ただね、今回の儀式が終わったら、また私の事も愛してね!」


 と言うのでキスをしてもう一つの問題を話した。


「獣人の子、アンバーだけど、やっぱり彼女もかな?」


「勿論そうよ。成人していて貴方は男、彼女は女の奴隷。生理的に無理とか無ければ義務なんだから、義務をちゃんと果たしてね。無理なら奴隷商の所に売りに行くのよ。それが決まりなの」


「分かった。ただな、俺の国じゃ14歳って子供なんだよ。結婚も親の同意で16才で女子はできるけど、文化が違うんだ。もう一つの問題は、クレアの母親のアイギスだ。彼女とも儀式が必要なんだよな?」


「獣人の初期成長は早いのよ。14歳と言ってもヒューマンで言う17,18歳位なのよ。それとねアイギスもちゃんとしてあげてね。クレアもそれを望んでいるから」


 習慣が違うとは言え、悩んだのが俺だけだった事に正直な所驚いた。俺は了解して食堂へ向かうのであった。

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