第8話 国家権力
一年が過ぎようとした頃、所轄の警察から連絡があった
⚪︎⚪︎さんですか?
はい、何ですか?
話を要約すると探偵業の件で話があるので一度立ち入り検査をしたい、との事だった
電話を取った時からそうであったが、いや書類申請をした頃から感じてた何か嫌な予感が私を支配していた
約束の日、警官は一人で現れた
パトカーで来なかっただけ配慮してくれたのはわかった
⚪︎⚪︎さん、ここが事務所?
はい、事務所兼私の家です
あれから一年になるね、いやね、県警の担当から色々言われて…
なんです?
君、看板も広告も出してないでしょ、だとしたら一度返したらどうかな?許可書を。
たしかに広告も看板もなかった しかしそれは悪い企みがあったのではなくむしろ
嫌な予感がずっとしていたからであった
許可書を手にしたその日から何かずっと胸騒ぎがしてやたら監視されてるような予感がしていたのだ
何度かイヤホンをした刑事のような人間を自宅近くで目撃していたがもちろんその警官にもその事は話さない
おそらくだが、私があまりにガラが悪く犯罪予備軍として何か仕出かすんじゃないか?と見張っていたかと思う
実際に何度か車を止められ職質にもあったしもう一箇所の職場にもマルボーが来ていた
もう1箇所の職場は大雑把に国の産業に関わる仕事を請け負う会社でそこの社員として全く異なるがホテルの支配人として運営を任されていた
しかしあまりに破天荒に余所から来た若造が売上を上げてく様が気に食わなかったのか周囲の人間が妬みで恐らく反社の人間がいると虚偽の通報をしていたのでは?と思う
もし、反社会派に属したり犯罪歴があれば探偵業を営む事はできないのでそれが何よりの証拠だが、たぶんガラの悪さで勘違いして担当の警官は焦って取り返しに来たと分析する
ちなみに最終的に探偵業を許可するのは公安だが地方だと、結果的に県警が担当
その県警がこれ以上その免許を所持するとすれば圧力をかける、と言わんばかりの事を言ってきた
要するに私は何もしてないのに許可証を剥奪されたのだ
警察という組織は汚く媚を売れる人間が昇格すると何かのバラエティー番組に出ていた元警察トップの人間達が言っていたがまさにその通りである
本当にヤバいヤクザや殺人犯を捕まえるのではなく、手っ取り早く大人しくしてる人間をターゲットにする
車やバイクだってそう、激しく暴走行為をしていかにも飛ばしそうな車両は狙わず大人しくしてる車を狙う
あれから警察に対する目は変わった。
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