5 技術の分類で分かること

図:https://19084.mitemin.net/i598750/


技術全体の分類を知ると、

技術と社会の関係を語る技術社会論の、

様々な名著の内容が分かりやすくなります。


例えば『第三の波』(A.トフラー)に書かれた、

文明の波を生み出す農業・工業・情報技術や、

『シンギュラリティは近い』(R.カーツワイル)の

時代を変えるAI技術は、まさに画期技術です。


それは経済・社会活動を大きく変え、

制度・政策まで変革するような技術、

文明の発展段階を分ける(かくする)、

文字通り画期的な技術です。


ただし、畑や動力機関、電算機だけがあっても、

土木建築や機械、光通信といった技術がないと、

社会を大きく変えることはできないので、

そうした実現技術も不可欠です。


金属工学は動力機関、電子工学は電算機コンピュータ

ソフトウエア工学はAIを可能にしたように、

実現技術は新たな主力技術を生み出してきた、

という点からも重要です。


また、『サピエンス全史』(Y.N.ハラリ)にある、

法律概念、貨幣価値などの虚構フィクションにより

人を動かす技術が、政策の実現を助ける

社会工学的技術です。


もっとも同技術の学問的な定義は、

〝自然科学に加えて人文・社会科学的な

知識も利用した技術〟なので、現実の知識に加え、

虚構も重要な役割を果たすということでしょう。


さらに、文明を次の段階に進めるうえで

重要な技術が研究・開発技術です。

現代科学は巨大科学ビッグ・サイエンスと言われるように、

大規模であり、政策的な支援が不可欠だからです。


技術の進歩や社会、政策の変化が加速化する今、

その重要性はさらに高まっていると思います。

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