2 技術と政策

図:https://19084.mitemin.net/i615126/


自然から富を得て社会を豊かにする技術と、

人間同士で富を分けて健全に保つ政策には、

どちらも直接・間接・自助・互助という、

4つのルートがあります。


社会に大きく、直接的に働きかける、

いわば直接ルートが、

画期技術(農業、工業、情報技術など)と

経済・社会政策(社会保障、産業振興など)です。


画期技術や経済・社会政策の実現条件である、

物的・人的資源を生み出す間接ルートが、

実現技術(土木、冶金やきん、電子工学など)と

人的資源政策(教育、保健など)です。


広い意味では技術も政策も、

経済・社会活動の一部といえるので、

技術と政策が自身を助ける、いわば自助ルートが、

研究・開発技術と行政管理政策です。


同様に、技術と政策が、

広義では経済・社会活動の一部である、

相方あいかたの政策・技術を助ける互助ルートが、

社会工学的技術と技術的政策です。


技術の4分類を覚えやすく言うと、

『産んで育てて、変えたら助ける』となります。

(科学・技術を生む)研究・開発技術

(物的資源に育てる)実現技術、

(経済・社会活動を変える)画期技術、

(制度・政策を助ける)社会工学的技術です。


また、政策の4分類を同様に言うと、

『作って分けて、上げたら活かす』となります。

(富を生み出す技術を助ける)技術的政策、

(富の配分自体が重要な)経済・社会政策、

(人を確保する)人的資源政策、

(人を活用する)行政管理政策です。


以上の分類は理論的なもので、

現実的には重なる部分もあると思います。

しかし、そうした多機能・多目的の

技術や政策を考えるのも面白く、

さらなる技術の開発・応用や、

政策の立案・連携に役立つと思います。


『知る・する・決める、モノ、ヒト、環境』、

6つの要素で文明を語る〝文明の星〟理論では、

『産んで育てて、変えたら助ける』

『作って分けて、上げたら活かす』

という、どちらも4種類ずつの技術と政策を、

完全に左右対称な形で説明できます。


裏を返せば、すでに技術社会論の名著や、

各種行政計画で語られてきた内容を、

バランスよく組み合わせただけで、

〝コロンブスの卵〟のような発見です。


とはいえ、この理論がそれらの全体を

〝初めて分かりやすくまとめた〟

解説になれたなら嬉しいです。

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