第13話 思い出の女の子(編集)

凛花と七色さんと一緒に(謎の2人も含めて)俺達は食堂内のファミレスにやって来てから俺達は腰掛ける。

と同時にその変装した2人組の杉山と朝日も横の辺りに腰掛けた。

それから俺達を見てくるその2人組。

俺と虹色さんはチラッとだけ見てから顔を見合わせて苦笑して首を振った。


ガラス窓を挟んだ先の方に居る杉山と朝日。

俺はその2人の姿を見ながら苦笑いを浮かべつつ。

メニューを笑みを浮かべて見る凛花を見る。

すると七色さんが俺にヒソヒソと話し掛けてきた。


「その。あの方達は何時まで付いて来るんですかね?」


「正直デートが終わるまでじゃ無いのか。.....よく分からないな。ゴメン」


「うーん。それだったらいつか気付かれませんかね。その、凛花ちゃんに」


「気付かれた時は気付かれた時だと思うしな。.....だけどまあ気付かれても問題はないと思うけどね.....うん。一応は」


そして俺達も無視するかの様にメニューを見る。

対面に凛花そしてその前側に俺と七色さんが腰掛けた。

みんな仲良く、という事で取り敢えずはこんな感じになったがまあいいや。

話し掛けやすいしな.....横の七色さんに。

考えながら俺は凛花に聞いてみる。


「昼ご飯はあるんだよな?じゃあ軽くするか凛花」


(ですね。お菓子ぐらいなら)


「それも良いかもな。七色さんは何か食べるかな?」


「私はイチゴパフェが食べたいかもですねぇ」


「ふむ。じゃあ俺はドリンクバーとか注文するか」


取り敢えずは意見が纏まったので店員さんに注文してから。

俺は立ち上がってからそのままドリンクコーナーにむか.....うと。

何故か朝日がジト目で俺を見てきていた。

横からやって来た?と思われる変装女。


いつの間にこんな顔をして立っていたのか。

それを無視しながら飲み物を入れていたのだが朝日が俺の顔を思いっきりむにゅって感じで引っ張ってきた。

何だ痛いなオイ。

そして.....変装を解いて俺をジッと見てくる。


「随分と仲が良さそうだね。あの娘と」


「そ、そうですかね」


「これって修羅場って言うんだけど」


「私だって.....何だ?」


「な、何でも無いけど」


すると今度は杉山がやって来た。

それから苦笑いを浮かべながら変装を解く。

そして俺の顔を見てきた。

ニヤニヤしながら、であるが。


気付いていたでしょ?、と苦笑して言いながら。

それもまあ随分、前からな。

誰の提案だ、と俺は尋ねると。

杉山が顎に手を添えて悩んで回答した。


「これはねぇ。朝日さんだよ」


「どういう事だ朝日」


「私は貴方の動向が気になるしねぇ。うん」


「いやお前.....だからといえ」


「アハハ」


まあ薄々とは色々と感じれるけどな。

でも有り得ないよな朝日に限ってそれは。

考えながら俺は.....朝日をチラッと見る。


朝日はビクッとしながら俺を見てきた。

俺は顎に手を添える。

そしてニヤッとしてから聞いた。


「お前は俺が好きなのか?追跡するって事は」


「ふぇ?!は!?ば、馬鹿じゃないの!?」


「ふーん。違うんだな?」


「ち、違う.....けど」


モニュモニュしながら俺を睨んだ感じで見てくる朝日。

涙目になっている。

俺は、す。すまん。悪かった、と言いながら、もし良かったら今度一緒にどっか行くか?、と聞いた。

すると朝日は目を輝かせて、じゃあ約束だよ!、と言ってくる。


そんな時だ。

俺達の居る場所の奥から声がしてくる。

せん。ぱい?、というゆっくりな感じで、だ。

ビクッとする杉山と朝日。


それから杉山と朝日は慌てて変装をしてからまた戻って行った。

俺は苦笑しながら朝日と杉山を見る。

何だありゃ、と思いながらだったが、である。


でも凛花がやって来てしまったので深くは考えれなかった。

俺はやって来た凛花を笑みを浮かべて見る。

凛花はスマホで文章を打った。

そして見せてくる。


(どうしたんですか?遅かったので)


「いや。何でもない。御免な」


(ですか?あ。そうだ。ドリンクバー私も追加購入しました。一緒に飲みませんか)


「ああ。そうなんだな。じゃあ飲むか。何が飲みたい?」


(私はレモネードが飲みたいです)


「え?そういえば昔は.....というか酸っぱいの嫌いじゃなかったか?お前」


言うと凛花はニコッとしながらスマホに文章を打った。

それから俺に見せてくる。

そこにはこう書かれていた。

これは思い出の味なんです、と。


俺は?を浮かべて凛花を見る。

すると笑顔をまた浮かべながら俺を赤くなりつつ見てくる。

病弱だった私の身体にはこれが一番なんです、と書きながら。

俺は???を浮かべる。

すると必死に凛花は文章を書き始めた。


(実はですね。幼稚園の頃に凄くかっこいいなって思った人が居ました。その人は癌になった人達を助ける為に活動していたんです。幼稚園に来てから2週間で別の場所に引っ越しちゃった年長さんでした。今でも覚えています。弱い人を助ける為にレモネードを売った事を。それで思い出の味なんです)


「.....え?」


(その男の子とは今でも会えていません。でも.....これだけははっきり覚えています。その男の子の右目の下に傷跡がありました。座っていた椅子から落ちて縫ったそうですが、です)


「.....!?」


俺はその言葉にピクッと反応する。

レモネードを見ながら凛花はニコニコしている.....が。

それは何というか俺自身の事だが昔の事だが赤ちゃんの頃に椅子から落ちて傷跡を縫った事がある。

そしてその傷跡はそのうち消えたのだが。

え?でもちょっと待て偶然かこれは?


(何だかその子は先輩に似ていました。その子。でも先輩な訳ないですよね。アハハ。私も随分と望んでいますね)


「.....」


(先輩?どうしたんですか)


「何でもない。御免な」


まさかな。

少しだけ考えながら俺はそのまま首を振る。

幼稚園の女の子.....探している俺の求める子。

多分もう誰かと付き合っているから求めても無理だとは思うけど。


だけど今。

まさかな、と思いながら俺は凛花を見る。

たった2週間で仲良くなった女の子だったけど俺が引っ越して.....別れたんだ。

だけど何だこの感じは。


「.....」


(先輩?何だか様子がおかしいですよ?)


「何でもない。御免な。ちょっと悩む所があってな。俺はボーッとし易い部分もあるからね」


困惑する凛花。

しかしこの子が探している.....女の子、か。

俺は考えながら目を閉じて開く。

それが凛花だと?

そんな事ってあるか?


「えっと。そろそろパフェも来るし。戻ろうか」


(はい。ですね。レモネードも入りましたし)


スマホを直す凛花を見ながら俺達は席に戻る。

その際にバカ食いしている変装している2人の席をチラ見した。

何か美味しそうな豪華なものを食っていやがる。

海鮮丼とか、ハンバーグとか。

何だコイツら.....。


やけに金持ちだなお前ら。

考えながら俺は少しだけ腹立たしい気持ちを抱きつつも戻ってきた。

俺達はパフェだってのに。

全く.....。

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