第11話 大切な友人と失われた世界の過去と(編集)
俺と凛花が出会った頃は申し訳無いがはっきりと覚えていない。
だけど凛花はこの場所で出会ったとはっきり書きながらそのまま優しげな笑みを浮かべて俺を見てくる。
その姿に俺は少しだけ赤くなりながらそのまま見ていると何故か背後に変装している杉山と朝日の2人が。
いや凛花は気が付いてない様だが、その。
サングラスを身に付けているしさっき見た服装だし。
何やってんだあれは、と思いながら俺は顔を引き攣らせる。
そして考える。
すると凛花が見てきた。
(どうしたんですか)
「何でもない。よ、よし。どれがどれの原画か教えてくれないか」
(あ。良いですよ。先輩。じゃあ片っ端から教えてあげます。覚悟して下さい)
「そ、そうですか」
俺はその事にビシバシになりそうだな、と苦笑しながら最後に背後をチラッと見る。
そこにはやはり先程から付いて来ている2人が。
その姿に俺は盛大に溜息を吐く。
それから凛花を見た。
すると凛花は目の前にゆっくり指差す。
(こっちですが有名なあのアニメの原画です。これは絵コンテですね)
「そうなんだな。某有名アニメか」
(そうですね。国民的アニメですねぇ)
「やっぱり絵のタッチが凄いよな.....」
そう言うと、ですよね、と書きながら嬉しそうな反応をする凛花。
実は私はこの絵コンテの感じが好きです。
一番.....この柔らかいタッチが好きです、と書きつつ笑顔を見せる。
俺はそんな凛花に、そうか、と柔和に返事をする。
そうしていると俺達に女の子が声を掛けて来た。
「凛花ちゃん」
(七色ちゃん?)
「どうしたの?珍しいね。こんな場所、あれ?」
七色と言われているその少女は。
丸眼鏡を掛けておりそばかすがある。
でもかなり柔和な感じながらも美少女だ。
俺は?を浮かべて凛花を見る。
凛花は、あ。と声を上げながら俺を見てくる。
(この子は佐藤七色さんです。私のお友達なんです。先輩)
「友達?」
(はい。お友達です)
俺はそのメッセージに驚きながら七色さんを見る。
七色さんは柔和に俺を見ていた。
そして凛花も、だ。
そうか.....。
友達が出来たんだな。
俺は少しだけ泣きそうになるのを堪えながら七色さんに聞く。
「初めまして。俺は長野東って言います。まあ.....王子様では無いけどね。って言うか王子様扱いなんだね。俺」
「そうですね。凛花ちゃんにとっては王子様みたいですから」
(もー。七色ちゃん。そんな事言わないで)
恥ずかしがりながら七色を見る凛花。
2人共に心から仲が良い様に見えるな。
良かったよ。
本当に。
そうしていると、そうだ。一緒に周りませんか?デートが上手くいく様に私がお邪魔で無かったらサポートします、と七色さんが提案してきた。
凛花はもっと赤面する。
そして、七色ちゃん!、と書いてモジモジする。
七色さんはニヤニヤしながらも真剣な顔で俺を見る。
「彼女はこんな感じで情けない部分もありますけど。でも根っからは良い子ですから」
(情けないってそんな事を先輩の前で言わないでもう)
その言葉に俺は七色さんに頷いた。
それから七色さんを見る。
七色さんは?を浮かべてから俺を見てくる。
俺は胸に手を添えてから離してから、大丈夫だ、と答える。
「凛花はとても良い子だから」
(!)
「長野先輩.....成程ですね。凛花ちゃんが.....うん」
七色さんは頷きながら笑みを浮かべる。
そして真剣な顔をまたした。
それから俺を見てくる。
「良かったです。.....少しだけでもイメージは強くないと.....勝てない様ですからね。このバトルに。アハハ」
俺はハッとした。
そして赤面して苦笑して見せる。
七色さん。そういうのじゃ無いからな俺の付き合いは、と言った。
だけど七色さんは、そうなんですか?、と揶揄う様に言う。
「違うんですか?」
(違うよ!もう)
「そうだな」
七色さんは俺の顔色を見てから。
ハッとして頷く様にしてから、これ以上はこの話は止めておきましょう、と言った。
俺はその言葉に頷いて答える。
「そうしてくれると嬉しいかもな」
その言葉に、はい、と七色さんは大きく返事をした。
そんな感じの会話をしながら歩き出す。
そして背後からも足音がする。
ああやっぱ付いて来ているな、と思いながら俺達は原画コーナーを進んで行く。
それからまた別のアニメの原画コーナーに行き着いた。
そこは今度は美少女ヒロインの戦隊モノシリーズ系のやつだ。
すると七色さんが指差す。
「私このアニメが好きなんです。何もかもが緻密に描かれていて」
「そうなんだね」
(七色ちゃん好きだもんね。このアニメ)
「はい。私自身がアニメオタッキーなので」
「そうなんだ」
「長野先輩もアニメオタクですか?」
まあその。
そうだな.....アニメオタクという程ではないがラノベと漫画オタクではある。
思いながら俺は七色さんを見る。
七色さんは、そうなんですね、と和かに返事をした。
それから七色さんは解説を交えながら歩く。
そんで解説に後ろの人達も頷きながら納得していた。
成程、的な感じで、であるが。
何やってんだろうなマジに。
「ところで先輩はどんなアニメが好きですか」
「俺はまあ戦闘系だな」
「ですかー。成程ですね」
「うん。まあそれ以外だとラブコメ系かな」
(そうなんですか?先輩)
そ。そうなんですね、と書きながら、じゃあ私もその分野知らないのでラブコメ系を見てみようかな、とか書いた凛花。
俺は、え?、と凛花を見るが。
凛花は、何でもないです!、とワタワタした。
それから俺を見てくる。
どんどん頬を膨らませながら、だ。
それからプイッと横を見た。
(デリカシーが無いですよ。先輩)
「そうですね。デリカシーが無いですよ。長野先輩」
「.....そ、そう?」
俺は苦笑しながら。
そしてそのまま次のコーナーに移動していると。
七色さんが俺に、その。背後の人達はお知り合いですか、と小声で聞いてきた。
あ。気付いたんだな。
俺は苦笑いを浮かべながら小声で、あれでも知り合いだよ、と優しく返事する。
すると、そうなんですね、と俺に苦笑しながら七色さんは向いた。
訳有りの様ですね、などと話す。
「モテモテですね」
「違うけどな。そんな感じじゃないよ。俺はそんな自覚は無いから」
「何でそんなに恋に臆病なんですか?」
「色々あってな」
「そうなんですね」
そんな会話をしていると、どうしたの?、と凛花がスマホを見せてきた。
凛花はそれなりに柔和な笑みを浮かべている。
俺達は、いや。何でも無い、と言いながら少しだけ慌てつつ答える。
それから、全部原画の話だよ、と俺は向いた。
七色さんも、そうそう、と言う。
(え?原画の話だったら私も混ぜてほしいです)
「うん?またエロゲの話だけど良いの?」
「え、え、えろ!?」
俺は、は!?、と愕然とする。
エロゲも原画に近いものですからな、と平然と言いながらニヤッとする七色さん。
その姿を、あちゃー、と凛花は真っ赤に赤面する。
実は七色ちゃんはエロゲ好きなんです、と文章を打った。
俺は愕然とした。
「私はエロゲこそ原画の神だと思っているから。女体の神」
(日本全国の原画ファンに謝って七色ちゃん)
「何でよ!?」
(あれはエッチなものでしょ。ダメ。全然ダメ。別物)
もう。えっち。
と言いながら真っ赤になる凛花。
七色さんの性格が何となく分かった気がした。
エロゲ好きでしかもアニメ好きで。
そして凛花を大切にする友人。
しかし本当にバリバリなオタクじゃないか心底の。
俺は苦笑しながら凛花を見る。
「それでもお前は受け入れているんだな。友人として」
(そうですね。大切な友人です)
「俺もそうだったら良かったんだけどな」
(?)
「アニメオタクって嫌われものだからな」
懐かしいもんだ。
でも今思えばそれもしゃーない、って感じだけど。
考えながら俺は苦笑していると。
凛花が俺の手を強く握ってからそして顔を上げる。
(私は嫌いません)
「凛花?」
(そんな奴らなんて忘れさせます)
「だねぇ。アニメオタクを馬鹿にする奴は碌でもない奴らですよ。関わるだけ真面目なリアルクソゲーです」
「ははっ。有難うな。そう言ってくれて嬉しい」
俺は苦笑いを浮かべながら2人を見る。
当時からこの子達がこの場所に居れば何もかもが変わったかもな。
そう考えながら俺達は原画を見つつまた移動した。
七色さんと俺にバレている2人もついて来る中で、であるが。
何時まで付いて来るつもりだアイツら。
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