かなしさ

もしそれがいなくなったらどうなるんだろうね


よく話していたことが現実になってしまう

あと10年と言っていたのに1年も経っていない


思い出さえもほとんど残さないでいなくなった


どんどん固くなっていくそれを触りたくない

でも触らないと消えてしまう、いなくなってしまう


現実なんてそんなすぐに受け止めきれるわけが無い


今にも鼻息が聞こえてきそうに静かに眠っている


まだ少し暖かいそれを撫でる


よく物語でみる悲しいシーンなんて比では無いくらい、かなしくなる


もう戻ってこない、あと帰ってくるのは骨だけ


『君はこの家で楽しく過ごせたかい?』

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