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腕を見るだけということなら、タックさんに挑んでみるのも悪くはないかもしれない。ただ、僕は今の今までマトモに剣を振るったことなんて一度たりともない。出来ることといえば、見よう見まねで振り回すことくらいだ。
それに万が一にもタックさんに怪我をさせちゃったら悪いし……。
「アレス、やってみたらどうだ?」
不意にミューリエが声をかけてきた。ただ、ちょっとぶっきらぼうというか、投げやりというか、いつにも増して冷たい印象を受ける。結果がどうなろうと知ったことじゃないけど、見るに見かねて口を出した――といった感じだ。
彼女は腕組みをしたまま壁に背中を寄りかからせ、小さなため息をついている。
ミューリエ、どうしちゃったんだろう? スライムと遭遇した辺りから態度が変わったような気がする……。
「このままでは勇者の証とやらは手に入らんぞ? それに己の全てを振り絞ったならば、よもやということもあるかもしれん」
「よ、よぅし……」
ミューリエの言葉が僕の背中を押した。僕は覚悟を決め、人生で初めて剣を抜く。もちろん、トンモロ村にいる時に持つだけということはあったけど、こうして誰かを相手にして剣を構えたことはない。
――ここでアイテムをチェック。『始まりの剣』は?
●持っている……→79へ
https://kakuyomu.jp/works/16816927860513437743/episodes/16816927860517356089
●持っていない、または持っているかどうか忘れた……→30へ
https://kakuyomu.jp/works/16816927860513437743/episodes/16816927860515006228
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