テラフォーミングの条件

第二の特徴は生息域の限定されている種である可能性が高いという事があげられます。


地球においても特定の地域に生息する生物がいます それらはその地域で独自の生態系を構築し、その地域では当然の環境であるかのように振る舞っていながら、他の地域に移動すればその地域特有の病原体や寄生虫などによって瞬く間に壊滅してしまい、あっと言う間に滅亡してしまうことがしばしばあることから"そのように環境の限られた種の可能性があります。


例えば日本やアメリカといった国家がありますよね その国の国民が"地球の"固有の種ではないということは以前から指摘されていたことであり、その事実を否定するつもりはありません しかしですね。


地球上では様々な種が独自に生存競争を繰り広げている中で、それぞれの種は互いに相容れないという前提のもと生活圏の重複を避けて分布を広げていったのでしょう"


ところがだ、火星においてはそうではなかった。


地球よりも遥かに過酷といえる環境下で生存可能な能力を持つゴキブリがいたということなのだ"


それでは俺達に地球を破滅させてほしくなかったというのはどういうことだ?

"それはですね、私どもが移住を計画した際に地球上から生物は極力排除して、可能な限り他の天体に移住することにしていたんです。

もちろん人間についても。


ですから私達はあなたがたに人類を滅ぼすことをやめるよう要求しました。

私達は人類を地球から追い出すことについては同意して頂いたと考えています

"火星に移住した後で火星に元々生息する生物の遺伝子を組み込むことにより火星に適した人類を生み出すつもりだったのさ


""ええ、あなた方は地球から私達を排除すると言いながらも結局はその地球に住み続けたわけですよね?"


"その辺の経緯はよくわかんねぇんだけど、まあ、いいじゃねーかそんな事は。

ともかくだ。

あんたらに人類を滅ぼす意志はなかった。

ただ、ちょっと環境の変化に対応しきれなかったってところなんだよな。


でももう大丈夫だ、火星では問題なく生きていけるからよ。


だからもう地球に戻ってくんねーかな? もう戦争だって始めないよ、火星でも資源採掘事業が始まってさ。


火星でも電力とか水素が手に入るようになりそうなんさ それでさ火星での電気とかを使った農業とかさ、なんか面白いものが作れそうなんだよな。


そっちで火星に住めよ"そう言って火星人は帰って行った。


私達の生活する火星が平和になってから、20年あまり経とうとしていたある日のこと 私はふとした事で火星人の残した記録を見つけた。

それは地球に残された、火星への移住者が残していってくれたメッセージと思われるものだ。

それは私の愛する夫に宛てたものだった。


その手紙を読み終わった後に私は泣かずにはいられなかった


夫は20年前に他界しており私は独り身であった


そして今私は、地球に残る人々の運命が知りたくなっていた。

火星に住む人々がこれからどうなっていくのか見届けたくなったのだ だから決めたのだ。


私もまた地球人と同じように、地球を再生させる計画を実行に移すことを


"わかった、わかったからもう泣くのはやめて。

俺はそんなに悪い奴じゃないよ。


確かに君を騙したことは悪かったと思ってる。

それにしてもこの宇宙人共も随分とお節介焼きだよ。


何だ、俺に死んで欲しいのか。

こんなに簡単に死ぬんじゃつまらないだろ 何だこりゃ?


火星人はまだ生きているっていうのかい?


"20年余り前 地球は突如出現した巨大な宇宙怪獣によって破壊された。


それは月面の小惑星帯から姿を現し地球へ落下。

そして地表に降り立った怪獣は多くの国と街を破壊しつくした。


だがその時既に、世界各地の地下に建設が進められていた核シェルターに逃げ込んだ者達が反撃を開始することになる。

各国が保有する最新鋭兵器による激しい攻撃にたまらず怪獣は火星の軌道上に逃走を図る。

だが火星にはすでに別の異星人達が住み着いていたのだった。

火星の住人は火星における戦闘にも勝利。

火星から飛来してきた宇宙人は、火星を基地化して防衛拠点を建設して地球からの攻撃に備えるようになる。

火星に駐留するようになった火星人たちは地球からやってきた宇宙船を発見し、その中に残された記録を解読しようと試みた


しかし、地球での戦いの記録は非常に複雑な暗号コードによって保護され、容易には解析できなかった


そのため火星人達は火星人が地球で犯した犯罪行為の数々について調査を開始した。

その結果、地球は犯罪者の巣窟となっている事がわかった。


特にその中でも最大の罪を犯した者が太陽系内で唯一、現在も生存している事が判明したのである


しかし火星に生きる彼らもその存在を認めるわけがなかった


この凶悪な殺人犯の名は、 ジョン・カーターと言った。


火星の科学者である、カーター博士は自らの罪を償うために地球と火星の架け橋となるべく研究に没頭してきた。


そして20年の歳月をかけ遂に火星から人類を送ることに成功した。


だがそこに誤算が生じたのだった その人類が想定外の問題を引き起こしてしまった。


地球上の生命を根絶することを主張し始めたのだ。


そしてついには、火星において人類の生存を脅かすような行動を起こし始めたためカーターは地球からの逃亡を決意し、自らを囮にして犯人を誘い出した後殺害することを画策する


それがあの事件の始まりだった


この惑星では人間は、人間の都合に合わせて自然を変えていくのではなく共存していく道を歩まなければならないという結論に落ち着いた


それならば火星に移住しようではないかという事になったわけだ


火星でなら人類が生き残るのに適した環境が作れる それが俺の計画だったんだが、ちょっと遅かったかな。


この調子じゃまだまだ先になりそうだ


"俺がこの計画を考えたのは約30年前のことだった。


当時は地球で核兵器を使用したことによって深刻な環境汚染が進行していてとても火星まで移住するようなゆとりはなかった。

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