第357話 選挙と、ママと、サングラス
ディッブ人の首都は選挙期間、真っただ中。
選挙に馴染みがないので、どの候補も何をしたら良いのか手探りだ。
モンスターを狩って、振る舞ってアピールというのが多い。
そう考えるとリッツ達の陣営は一歩リードだな。
もっともリッツの活躍が、傘下の候補の人気には結びつかないので、それが痛い。
そう考えていたら、集団魔闘術とステータスアップの魔道具を使って、リッツ傘下の候補は続々とモンスターを狩った。
集団魔闘術は定着しつつあるな。
攻撃の順番で揉めたりするみたいだが、リッツはその調整を上手くやっている。
ディッブ人の心はいまひとつ掴みきれないから、票数は読めない。
ただ、女性候補に投票する女性は多い。
婚姻とか女性の権利拡大には色々と思う所があるみたいだからな。
「調べてきたよ」
マイラ達が帰ってきた。
リッツに報告がなされた。
「よし、喧嘩だ」
リッツが引き抜きを行った候補の前に立った。
「ンラナ・ソチリリ・ンラナス・モラカクイス・モチモチ。はっはっはっ、モチモチ」
リッツがなんと言ったか分からないが、侮辱したんだろうな。
相手は青筋を立てて怒った。
「ハナソノ!」
どうやら決闘が始まるみたいだ。
リッツは光り輝き、相手を叩きのめした。
相手の支援者がみんな目を背けた。
どうやらリッツ達に鞍替えするらしい。
「リッツ、さっきなんて言って侮辱したんだ」
「お前、母さんのことをママって呼んでるんだってな。はっはっはっ、ママだ」
ディッブ人はママって呼ぶと恥なんだな。
幼い感じはするけど怒るほどじゃないと思ったけどな。
ディッブ人の感性の問題だから分からない。
それからリッツは引き抜きを行った候補を侮辱してコテンパンにした。
支援者は戻ってきた。
『リラリニカチ・ソラモセリイサ』とか『コチコン・セリチン』とか『セスイモチカナスイ・イマチソナリチカニラミ』とかの色々な言葉で侮辱したが、どんな意味なのかは聞かない。
きっとろくでもないんだろう。
「今回の引き抜き騒動。イーサが黒幕らしいよ」
マイラがそう言った。
「野郎も少し目障りだな」
「イーサの弱点は武力がないこと。だから直接リッツには向かって来ない。典型的な腰ぎんちゃくタイプ。ボス役のロータリ国がいなくなって、焦っているみたい」
「じゃあ、そのうち墓穴を掘るな」
イーサは泳がせておこう。
たぶん何もできないはずだ。
「私はどうすべきなのだろうな」
トレンがまた憂鬱になっている。
「好きにすればいい。女性の権利が拡大したら、望まない結婚をしなくて済むだろう。リッツに任せておくのも手だ」
「そうか。私の出番はないのだな」
リッツに感謝すると良いさ。
リッツ陣営は順調だ。
だが、リッツの目は女性の体の一点に釘付けだ。
おいおい、下心隠さないと。
仕方ないな、
#include <stdio.h>
#include <conio.h>
extern MAGIC *sunglasses_make(void);
extern void mclose(MAGIC *mp);
void main(void)
{
MAGIC *mpr,*mpl; /*魔法定義*/
mpr=sunglasses_make(); /*サングラス右目を作る*/
mpl=sunglasses_make(); /*サングラス左目を作る*/
while(1){
if(kbhit()) break; /*何か入力されたら止める*/
}
mclose(mpr); /*魔法を終わる*/
mclose(mpl); /*魔法を終わる*/
}
俺はサングラス魔法の魔道具を作ってやった。
「リッツ、これを着けろ」
「何で、眩しくはないよ」
「これを着けると、視線が分からなくなる」
「ほう、そんな素敵アイテムなのか。ありがとう。使わせてもらうよ」
世話の焼ける奴だ。
サングラスを着けたら、リッツが屈強そうに見える。
見えるだけだけどな。
実際はハーレム力がないと何にも出来ない。
俺が持っているリッツの実情を女の子達に話したら、リッツのハーレム力は無くなるだろう。
もちろんそんなことはしないが、実質、リッツの生命線は握っている。
リッツが暴走したら止められるだろう。
サングラスの魔道具は売れるだろうな。
重さがないサングラスは着け心地満点だ。
魔道具は腰にでも着けておけば良い。
こんな物を作って遊んでいるのは、今回の選挙は失敗したって良いという理由からだ。
ロータリとディッブが手を組む危険性がないのなら、スライダー国は安泰だからな。
議員制になったら、たぶん侵略はないだろう。
国境で略奪はあるかもだけど、政府みたいな物があれば、その責任を取って貰える。
そうすれば後は話し合いでなんとかなるだろう。
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