第3話 受付窓口嬢
やばいやばいやばいやばい。まさか・・・。
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俺は倒れていたところを助けてくれたエマというエルフの女の子と一緒にパンデモの街のギルドを訪れていた。
「初めての方ですね。私はこのギルドの窓口受付嬢をしておりますエイミー=グランチェと申します」
ダンジョンの運営管理をする「ギルド」の窓口受付嬢、エイミー=グランチェ。
丸みを帯びたモフモフの耳に澄んだ黒色の瞳。セミロングのブラウンの髪。
ギルドの制服である黒いスーツとパンツを綺麗に着こなす大人びた感じの女性だ。
仕事熱心でありながら親しみやすいと評判の彼女は、ケット・シーである。
彼女目立てでギルドに来る者も後を絶たない。それだけ魅力のある女性なのだ。
「あの、冒険者になりたいんですけど」
「ではこの書類にサインをお願いします」
俺は言われた通り、書類にサインをした。
オオノ・タケルっと。
「それでは登録料金として50ゴールドを」
ん!?50ゴールドだと!俺は急いでポケットやらズボンの裾やらを探した。異世界に放り込まれた俺は当然お金などない。まあ、元いた世界のならあるけど。でも、ここではそのお金は使えない。やばいやばいやばい!まさかつまずくとは・・・。だか、ここでつまずいてなどいられない。エマに借りるか・・・でも、俺のプライドが許さない。しかし、お金がなくちゃ何も進まない。俺は決心した。プライドを捨てお金を借りると!
「エマ。50ゴールドを貸してくれ」
こうする他方法がない。働くという選択肢もあるけどここまで来て働きたくなどない!
「随分と上から目線ですね。人に物を頼む時の礼儀があるでしょう」
「礼儀と言いますと」
「土下座ですよ」
土下座か・・・。前の俺なら抵抗しただろう。だか、今の俺は違う!プライドを捨てたからな!!
俺は綺麗なスライディング土下座を披露した。周りの哀れみの視線が集まるがそんなもの知ったこっちゃない!早くお金を借りなければならない。
ふん。これなら何も文句ないだろう。俺は心の中でそう思った。
しかし、彼女が胸を触った仕返しだろうか。無茶な事を言いだしてきた。
「いいでしょう。でも、あれを忘れたとは言わせませんよ。さあ!私の靴を舐めてください!」
な、なにっ!?
・・・まあいいだろう。容易たやすい事だ。俺は彼女の靴を舐めた。
「え?」
「ん?」
2人の間に漂う不穏な空気。彼女はびっくりした顔でこちらを見ている。
「じょ、冗談で言ったんですけどまさか本当にしてしまうとは・・・あっ、貴方にはプっ、プライドというものが無いんですか!」
プライド?そんなものなどとっくの昔に捨てとるわ!
「もういいです。50ゴールドぐらい出してあげますよ」
「ありがとう」
俺は冒険者達の仲間入りをした。
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