【 第8話: いざ寝室へ! 】


 俺は、頭の中が真っ白になっていた……。

 それに気付いたグリフが、俺のことを気遣い、俺とミャーをやさしく寝室へと案内してくれる。


 長い廊下を歩き、いくつ登ったか分からないほど、上の階に行き、グリフが重い頑丈そうな扉を開けて、俺たちをエスコートしてくれた。


「タロー様、ミャー様。今日は、こちらでゆっくりとお休み下さいませ」

「グ、グリフ、ありがとにゃ……」

「それでは、私はこれで」


「あっ、グリフ……? 俺さ、お風呂へ入りたいんだけど……。(一応、ちゃんと体くらい洗っておかないとな……)」

「タロー様、ご安心下さいませ。奥の扉を開けますと、洗面所とお風呂がございます。今日はそちらをお使い下さいませ」

「そ、そうか……。ありがとう、グリフ……」

「それでは、失礼致します」


『バタン!』


 俺は、気まずかった……。

 だって、そうだろう……。

 今日、会ったばかりのこのコスプレ娘と夫婦の契りって……。


 俺は、ミャーの様子を横目でチラッと見てみた。

 すると、ミャーもそれに気付き、俺をチラッと一瞬見ると、くるりと後ろを向いて、猫ニャンニャンの手で顔を覆っている……。


 やばい……。

 これは、絶望的にやばい状況だ……。


「お、俺……、先にお風呂へ入っちゃおうかなぁ~……なんてね……」

「わ、分かったにゃ……」


 ミャーはそう言ったが、まだ恥ずかしいのか、後ろを向いたまま、猫ニャンニャンの手が顔にある……。

 俺は、仕方なく、ミャーの横を通り過ぎると、奥のお風呂場へと向かった。


『シャーッ……!』


 俺は、シャワーを浴びている最中も、ミャーのことが気になってしょうがなかった。

 本当に、こんなことになってしまって俺はいいのか……。

 もう、後戻りはできないぞ……。


 それを考えると、急に俺は恐ろしくなってきた……。



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