第6話 村長さんの家

村長さんの家は広場の北に在り大きめの御屋敷でした。お客さんが多いから他の家よりだいぶ広いのでしょう。


「ようこそお越しくださいました。聖女様。そちらの方は?」

「私は聖女では・・。」

「私はミスナ様のパートナーのミハイルと申します。」

「聖人様でしたか。失礼をばいたしました。」


ミハイルったら私のパートナーだなんて。嬉しいわ!仕事の相棒と言う意味かしら?それとも・・。ほっぺが赤くなっちゃいます。


「こほん。それで村長さん。私たちに何のご用でしょうか?」

「それがここ最近魔物が多くなりましてな。鉄が入ってこんので武器がつくれずに村の自警団に被害が出まして困って居たのです。村を囲う柵も木なので強い魔物では壊されてしまいます。この村は日に日に怪我人が増えていく一方なのです。」

「それはお困りでしょう。ここを治める領主さんは何をしているのですが?」

「ここはバーレン王国直轄領でして陳情に行けば兵を派遣してくれるのですが滞在して追い払っても常駐してくれるわけではないので。魔物といたちごっこなのです。」

「なるほど。防衛が強化されなければ不十分と言う事ですね。ですがまずは怪我人が先です。どこに居ますか?今から治療しましょう。」

「それは有難い。聖女様、こちらでございます。」


村長さんが村の集会所に案内して私達も同行しました。主に自警団員と思われる男の人たちが所狭しと寝かされています。お医者さんと看護婦さんらしき人が3人ではとても手が回らなそうです。では早速やりましょう。


「エリアメガヒール!」


淡い光が大きくドーム状に集会所を囲い、光は収束していきました。


「うわっ。血が止まった!」

「あれれ?痛みが引いたぞ!」

「俺の足の怪我が治った!」

「傷口が見る間に塞がったぞ!」

「おおっ、立って歩ける!」

「皆の衆。こちらの聖女様のお蔭なのだよ。」

「「「ありがたや、ありがたや!」」」

「治って良かったですね。これは全て創造主エリス様の御力なのです。」

「「「エリス様に感謝します!」」」


エリアメガヒールは中級治癒メガヒールを広範囲にかける魔法です。当面お怪我は治り危機も脱しますがさすがに部位欠損までは治りません。最高位魔法のテラヒールでなければ手足は生えて来ません。ですが魔力残量的に今の私には無理でした。使えるのに魔力不足とは何とも歯がゆいですね。


「村長さん。村を囲う外壁を強化しますので案内して下さい。」

「わかりました。こちらでございます。」



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