第4話 うさぎさん

私とミハイルは2人で海岸沿いを歩いています。背が高い!横顔カッコイイ!手をつなぎたい!どうしたことでしょう?私こんなはしたない子ではなかったはずです。私が首をひねっていますと海岸と反対側の森の方から1匹の真っ白なうさぎさんが飛び出してきました。


きゅぴぃ!きゅぴぴぃ!

グギャアアァ!


どうやら襲われているみたいですね。鳥みたいな魔物です。まずはうさぎさんと魔物を分断して安全確保しましょう。


「サンドウオール!ミハイル、あの魔物はなんですか?」

「あれはコカトリスと言う魔物です。ミスナ様。」


うさぎさんは私を見つけると飛びついてきて胸に顔をうずめフルフル震えていました。おなかと頭に怪我をしているようです。毛並はとても笑かくふわふわしています。思わずなでなでしてしまいました。すると鳥の魔物が壁を回り込んで襲い掛かってきました!


「サンドバレット!」


グギャッ!


「異空間収納。」


私とミハイルは阿吽の呼吸ですね、心が通じ合うって感じ!うさぎさんは血を流してぐったりしていました。私は治癒魔法も得意です。


「もう大丈夫ですよ。いたいのいたいのとんでいけー。メガヒール!」


淡い光に包まれるとうさぎさんのお腹の下の怪我はみるみる塞がって行きました。

うさぎさんはお目眼をパッチリあけて元気になったようです。


「きゅぴぴぃ!きゅぴきゅぴ。」

「よしよし。もうだいじょうぶですようさぎさん。」

「ミスナ様になついていますね。連れて行きますか?」

「私達に付いてきますか?うさぎさん。」

「きゅっぴぃ!」

「うんうん。そうなの?付いてきたいのですか。ではお名前付けてあげましょうね。うさっぴと言う名前でどうでしょう?」

「ぴっぴきゅ!」

「喜んで頂けたようで何よりです。うさっぴちゃん一緒に行きましょう。」


きづかなかったけどこのうさっぴちゃん本物のうさぎさんとだいぶ違いますね。耳は長いのですが2足歩行していますよ。


「ミハイルこのうっぴちゃんは本物うさぎさんですか?」

「普通の動物ではありませんね。おそらく魔法生物です。ミスナ様。」

「そうですか。この出会いは何かの運命を感じますね。」


私がうさっぴちゃんを抱き上げたら少しよろめいてしまいました。ミハイルはすかさず私の後ろから肩を抱き支えてくれました。


「あっ!」

「大丈夫ですか?ミスナ様。」

「ええ、ミハイルありがとう。」


私は内心ドキドキがとまりません。家族でもない男の人に肩を抱かれるなんて初めての事です。ミハイルは優しいので不思議と心が温まり安らぐのです。私達はまた歩き出しました。暫くすると集落らしきものが見えてきました。





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