第45話 アリーさんと冬月さんに襲われる

部活の集大成、執筆した作品をweb投稿サイトにアップして部活は終わった。


俺たちはめいめい自分達の部屋に戻り、もう消灯の時間だ。


普通ならここで友達とはしゃいで話し込むんだけど、それはない。


秋月がいないからだ。理由は言う必要ないよな?


ちょっと寂しいな。さっきまでの喧騒が嘘みたいだ。そんな時。


コンコン


「誰?」


こんな夜に__アリーさんや冬月さんだとヤバいな。


そう思ってると冬月さんだった。


「冬月だよ。磯風君、ちょっと話しておきたいことあるの」


「変なことしない?」


「したの磯風君の方でしょ?」


そうでした、すいません。


「いいよ。入ってよ」


「うん、わ、私ね。自分の気持ちを伝えておこうと思って」


「__冬月さん」


自分の気持ち__そんなこと言われると流石に冬月さんはもしかして俺のことが好き?


そんな期待をしてしまう。人に好かれるのって嬉しい。困るんだけど__でも嬉しい。


だけど冬月さんは女の子でも友達同士。何かが壊れてしまいそうで怖い。


「お茶入れてあげるね」


そう言って冬月さんは部屋に備え付けの急須でお茶を入れ始める。


お茶っぱは今どきで紙パックだ。


「お待たせ」


「ありがとう」


俺は冬月さんとお茶を飲む。言葉はお互い出ない。だけど、冬月さんが意を決した表情をすると切り出した。


「磯風覚えてる? 中学の時に私を野犬から助けてくれたこと?」


「ん? そう言えば、そんなことあったかな。あれ? あれは冬月さんだったっけ?」


「傷つくな。こっちはあの時から磯風君のことが頭から離れられなくなったのに__」


「__冬月さん」


冬月さんはあの時から俺に好意を持ってくれたのか? そういえば秋月が近づいてきたのもあの頃だ。そういうことだったのか__。


俺は陽葵のことが好きだ。だから冬月さんの気持ちは受け入れられない。


でも、冬月さんとの関係が__もしかして秋月とも__。


「あのね。私、磯風君のこと好き__」


かぁーと頭に血が昇る。初めて女の子から告白された。


冬月さんは凄い美人だ。秋月の彼女と思ってたから、友達としてしか見ていなかった。


でも、夏の海の魔法がかかった俺は冬月さんがとっても魅力的な女の子だと言うことに気がつかされた。


でも、答えは一つだ。


「__ご、ごめんなさい」


「__」


俺が女の子を振る側に回るなんて__ましてや冬月さんは美人で人気者のリア充。


「ふうっ、良かった。やっと言えてスッキリした」


「ほんとにごめん」


「磯風君、そんなに謝ることないよ。むしろ磯風君は誠実な人だよ。陽葵ちゃんのこと好きなのね?」


「うん、俺は陽葵のことが好きなんだ。昼間のことは謝るよ。俺、どうかしてた」


「大丈夫よ。磯風君が謝ることなんてないよ。私の方から誘ったし、これからも誘うし」


「は?」


今、なんか冬月さん、変なこと言わなかった?


「磯風君にはね。拒否権ないの♪」


「はい?」


冬月さんが髪をかき上げる。そして俺のことを上目遣いで見てくる。


冬月さんに対してエッチな感情が湧き出てくる。


これ、誘ってるよな?


「だからね。しよ♪」


「なんでぇ!」


なんでそうなる?


「だからね。赤ちゃんできたら結婚するしかないでしょ?」


「い、いや、そんなのだめだろ?」


冬月さんは畳の上を滑るように俺に近づくと、俺のすぐ横から耳元で囁いた。


「秋月はちびはるちゃんとこよね。私達もね__しよ♪」


「ちょ! ちょ、ちょ! 冬月さん、ち、近い、近すぎる!」


冬月さんは俺にしなだれかかってきて、キスしてきた。


「ん、んん」


「う、うう」


「襲っちゃう♪」


「そんなの男の力に勝てる筈が!」


あれ?


俺は身体に力が入らないことに気がついた。


「痺れ薬盛っちゃった♪」


それ犯罪だろ?


「磯風君__私も初めてだけど頑張るね♪」


「せ、せめてゴ、ゴム、ゴムさせて? ポッケに入ってる!」


「・い・や・♪」


そう言って俺は押し倒された。必死に抵抗するけど手を押さえつけられて、股の間には冬月さんの気持ちのいい太ももが入って来て身動きできない。


その時、突然電気が消えた。


ゴン


なんか鈍器で殴ったような音がした。


「こっちよ」


俺が意識を失ったらしい冬月さんから逃れると誰かに手を引かれた。


部屋のドアから廊下に逃げる。もう消灯していて暗い。


「さあ、ここなら大丈夫だよ。磯風」


「アリーさん?」


俺を助けてくれたのはアリーさんだった。


俺は布団置き場に連れ込まれていた。


でも、アリーさんだと__同じじゃ?


「ここなら少し位声が出ても大丈夫だから、私、気をつけるし」


「いや、アリーさん? 俺、アリーさんとエッチなことしないし!」


「あんなことしておいてよく言うね。責任とってよ。だからね__続き、しよ」


そう言ってアリーさんは浴衣をはらりと脱ぎ捨てた。


浴衣の下からは薄い薄いピンクの下着姿が現れた。


「ダメだよアリーさん、俺達まだ高校生だよ?」


「__磯風__私の胸__見たくせに__」


そういうと、アリーさんはゆっくり自分の下着の上をとった。


Dカップはある胸が、不意に目の前に出されて、思考が固まる俺。


そして、アリーさんは。


「続きしよ。ショーツ脱がして♪」


俺はしびれ薬の影響もあったのか意識がもうろうとしていた。


「う、うん」


俺は後ろの布団にもたれかかって横になったアリーさんのショーツを下げた。


アリーさんが協力してくれて、足を上げて、そして下げた__。


アリーさんは大胆に大きく足を広げている。


あ__鼻血出る。


と、そう思った時。


ゴン


音が聞こえた。そして激しい鈍痛と共に俺の意識はなくなった。

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