詩想⊠
涼月 愁明
なかったもの
変わらないものなど
無いということは
自分が一番知っている
『それだけ歳を重ねたからね』
だなんて言葉で 纏めてしまっては
味気ないだろうか?
私がこの腕が
抱かなかったもの
両掌から
零れ落ちてしまったもの
私が余所見をした隙に
横を通り過ぎたものもあっただろう
本当は知っていたというのに
触れることが出来なかったもの
目を伏せ逸らし
何もないと言い聞かせていたもの
否定の言葉で纏められた
心の奥に閉じ込めてしまった事柄達
歳を重ねたからこそ
目を向け ほんの少しだけ懐かしい気持ちで
手を伸ばせるようになったのは事実だ
けど、きっと本当はね
抱くことが出来たもの
零れ落ちなかったもの
過ぎ去らなかったもの
触れることが出来たもの
瞳に映し向き合ったもの
そういうものが 『なかったもの』
よりもきっと沢山あって 向き合って
私を包んでくれた事柄たちが
背中を押してくれたからだと思うのです
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