第47話 シデーロスへ帰還②
シデーロスのギルドに入ったらすぐ受付のアイルさんが駆け寄ってきた。
「あっ! 戻りましたか、アウルムさん! 大変なんです。大型のメタルスネークが近くに出現したって話で街中大騒ぎなんです!」
「メタルスネーク? って鱗が金属の蛇ですよね?」
「そうです、詳しいですね。メタルスネークは複数の魔法使いが連携しないと倒せないんです。相方のシルヴィアさんは魔法使えましたよね?」
「えっ? 使えるけど初級よ?」
「とりあえず人数を揃えなきゃだから初級だろうがなんでも良いです! あとはアレがこうだから‥‥‥」
大量発生でもしてるのかな?
アイルさんがてんやわんやだ。
俺が念のため確認する。
「待ってください、アイルさん。メタルスネークは何匹いるんですか?」
「何匹って。一匹ですけどそれでもこの騒ぎです。何匹もいたらそんなの対応出来ません!」
メタルスネーク自体が珍しいモンスターだからおそらくは‥‥‥。
「アイルさん、落ち着いて聞いてください。メタルスネークは倒しましたよ」
「アレがこう‥‥‥って、はぁ!?」
「いや、倒しましたよ?」
「「「はぁーーー!!!???」」」
ギルド内の冒険者がみんなハモる。
上手いことハモったなぁ。
あ、というかコレまずいやつかな?
「ど、ど、ど、どうやって倒したんですかっ!!???」
「えーっと‥‥‥(どう答えようかな‥‥‥)」
「あ、あのっ! よ、弱ってたみたいでっ!!」
シルヴィアがフォローしてくれた。
「弱ってた‥‥‥?」
「そ、そう。だよね、アウルム?」
「そ、そうなんです。たまたま仕留められたみたいで‥‥‥」
「‥‥‥ドロップ品とかあります?」
「はい、コレで‥‥‥」
メタルスネークの鱗を何枚か提出した。
「コレは‥‥‥本物ですね。討伐依頼完了の処理しますね‥‥‥。サインしてください」
「はい。討伐依頼ってどこから出てたんですか?」
「領主です」
「は?」
「領主からの依頼でした。報告処理しますのでお待ちくださいね」
「「‥‥‥‥‥‥」」
「アウルムさん、シルヴィアさん。条件がクリアになりましたのでCランクに昇格です! おめでとうございます」
「あ、ありがとうございます」
「これで塔に挑めるわね!」
ーーーーーーーーーーーー
シデーロスに戻ってきた時もなかなか騒ぎだったが、討伐報告した後は別の密かな騒ぎになってしまった。
「ひそひそ(あいつが例の‥‥‥)」
「ボソボソ(何者なんだ‥‥‥?)」
うーん、なんだか注目されている気がする‥‥‥。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます