第36話

ちらっ

ちらっ


と授業中も視線を感じる。

冬音も視ているし他からの (今度は女子が多いか?)視線も感じる。


針の筵ってこういう感じなのかとぼんやりと思った。



昼休み。綾人が学食でパンを買いに行ってる間に俺もお茶を買っておこうと自販機までやってきた。


「麻木くん、何買ったの?」

ひょこっ、という具合で出てきたのは冬音だ。

「冬音・・・・ほうじ茶だけど」

「あのね、朝みたいに話すのってダメかなって改めて思って・・・・」

「まぁ授業中は針の筵だったな」

「だったよね。ごめんなさい」

「俺以外にも男子の友だちを増やしていけばいいんじゃないか?それなら朝のあの態度も不自然ではないし」

「う〜ん、誰か良い人いるかな?」

「綾人、関口 綾人はどうだ?いつも俺と一緒にいるやつ」

「確かに、あの人なら嫌な感じはしないね」


周囲に人がいないな。小声で話せば大丈夫か。


「なあ、俺からもいいか?」

「え?うん!なぁに!?」

もう一度周囲を確認する。誰もいない。


「冬音も魔法が使えるのか?」

「うん、使えるよ」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る