第5話
「ありがとうございました〜」
からんからん♪
ここは俺のバイト先であるカフェ・・・・というより喫茶店だ。オーナーがじーちゃんと親しかったため働かせてもらっている。
オススメはオーナー自慢のブレンドコーヒーとナポリタン。サンドイッチもありますし、パンケーキもあります。
からんからん♪
「「いらっしゃいませ」」
「よう」
「綾人か、いらっしゃい」
「関口くん、いらっしゃい。いつものかい?」
「はい、ブレンドとナポリタンで」
今更ながら紹介しておこう。こいつは悪友の一人で『関口 綾人』。身長はあるし、勉強もスポーツも出来る。が、大の・・・いや、とんでもないオカルトオタクで残念なやつだ。顔も良いからそれに騙された他クラスの女子が告白することもあったが、今は小康状態らしい。
ちなみに俺は『麻木 純』。勉強はそこそこ、スポーツもそこそこ。というのも目立つ事が嫌いなのだ。綾人と競うのは楽しいが、それ以外は今の所何もしてない。【穏やかな日々を過ごす】がスローガンである。
「ところで、冬音嬢が初日からすごいことになっていたぞ」
「ブレンドお待ち。すごいこと?」
「ああ。既に何人かに告白された。今は全員玉砕しているようだがな」
「転校初日からか。あ、だからあそこにいたのか・・・・」
「む?何か知ってるのか?」
「いや、校門の所に桜並木があるだろ?放課後そこにいるのを見たんだよ」
「ふむ、告白された帰りだったのか・・・・」
「まぁ、あんな目立つ見た目じゃ苦労しそうだな」
「ナポリタンおまちどうさま。何やら楽しそうに話してるね」
「す、すみませんオーナー・・・」
「いやいいよ、お客様もいないし、ゆっくり出来る」
それでいいのか、とも思ってしまうが元々この喫茶店はオーナーの趣味で始めたらしい。だからそう言われてしまうと何も言えない。
何にせよ、俺に出来る事は何もない。
この日はこのあともお客さんは来ず家に帰ることになった。
「ただいま、じーちゃん」
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