6話 カレンと真の妹襲来


 買い物から帰ってきたら、何故か妹の雫がカレンと寝ていた。


「雫?何で雫がここにいるのよ!?」


「何でって?……あんたこそ何で私を知っているの?金髪泥棒女!」


「あなたは、真の妹よね!?何をしていたの?」


「うぐぐ……」


 1年以上いや、2年振りに見る妹はあちこち成長していて、雫は私から見てもかなりの美少女になっていた。


 胸もカレンまで大きく無いけどそれなりには大きい。


「違うんですよマコ様!」


「何が違うの?カレン。私、言ったわよね?浮気は許さないって」


 妹が重度のブラコンだって事は知っていた。

 3年前まで毎日のように一緒に風呂にも入っていたし、一緒の布団で寝ていたのだから。


 カレンは寝ていたのだし、妹に寝込みを襲われたんではないかと頭では分かっている。


 でも許せない。

 雫はわたしの妹だ。

 いくらカレンでも実の妹と、いちゃいちゃするのは許せない。


「私の妹に手を出すなんて……カレンあなた……」


「ごめんなさいマコ様。私寝ぼけてて、マコ様と勘違いして……妹って知らなくて、ごめんなさい!!」


「約束したわよね?もう、異世界あっちに帰っていいかしら?」


「いやぁ!帰らないで下さい!!マコ様!!捨てないで下さい!!」


 カレンは泣きながら、私に縋り付くように抱きついて来た。


「ちょっと待ちなさいよ!」


「さっきから聞いていたら、お兄ちゃんの事カレンって呼ぶし、何で金髪女がマコなのよ!?」


「お兄ちゃんの性格違うし?なんなの?」


「それは……」


 もう隠せないと思った私は、妹に事情を説明することにした。


 協力者としてもう一人くらいは、いた方が良いとの考えもある。


◇◇


「良いよ!協力はしてあげる」


「それは、良かったわ」


「ありがとうございます!ありがとうございます!」


「でも条件があるわ!」


「条件?」


「2人とも私の物になってよ?」


「どうしてそうなるの?」


「だってッ……どっちおも兄ちゃんだもん!私の物になってよ!」


「それは、駄目よ!」


「何で?おにいちゃん?」


「雫が私の物になりなさい?」


「ちょっとマコ様!?」


 雫は私の妹なんだから、カレンには渡さないわ。


「カレンはちょっと待っててね。これは、私達の兄妹の問題だから」

「改めて言うわ、いや改めて言うね」


 私は、いや……俺は、異世界で女として生きてきた。大切な仲間も出来たし、辛い事も楽しい事もあったけど、妹の事だけは忘れたことは無かった。

 俺の記憶が二年前の感覚に戻る。


「雫、ただいま。ずっと、ずっと会いたかった」


「うん」


「俺は今でも雫を愛しているよ」


「うん、私もお兄ちゃんが大好き!愛してる!」


「この3年間、異世界に行っても、雫の事を忘れた事は無かった」


「うん、私も一年辛かったよ?」


「こんな女の子の体になちゃったけど、こんな兄を許してくれるか?」


「ちょっとびっくりしたけど、どんな姿になってもお兄ちゃんは、お兄ちゃんだよ?」


「ありがとう雫」


「……ねぇ、お兄ちゃん。いつものして欲しい、お兄ちゃんが女の子でも構わないよ」


「本当に……いいのか?」


「いいの、お兄ちゃんがいいの。女の子でもいいの」


 まぁ折角だから、あれを試してみようかな?


「ちょっと、さっきから二人の世界に入って、ずるいです!!」


「カレン悪い!少しの間体借りるよ?」

「え?ええ!?」


憑依イシュターラ!」


 俺の精神が、カレンの体の制御権を奪う。

 これがスキル憑依の本来の使い方だ。


『か、体が、動かないですよ?』

『すまんカレン、少し我慢してくれ』


 俺がカレンの体を制御している間、カレンは何もできず見ていることしか出来ない。


「3年ぶりの俺の体、うん良い感じだ」


「あれ?お兄ちゃん!?どこ?消えちゃったの?」


 雫がオロオロと、俺がいた方を見て慌てているのが見えるが、今の俺は本来の俺の体(カレン)の中にいる。


「こっちだよ雫、今俺は、カレンの体を借りているんだ」


「え?本当に?お兄ちゃんが元に戻ってる!?」


「ほら、さっきのは無しだ。ここからが本当のお兄ちゃんだぞ?」


「うん♡」


「……おいで雫」


 雫に右手を伸ばすと、雫は両手を広げて俺の背中に手を回してくる。


「……うん♡」


 布団の上にいたときから雫は裸のままで気にした様子は無かった。

 雫にやさしくキスをする。が、直ぐに雫の舌に俺の舌が絡めとられる。


「んちゅ……はぁ、ちゅぱちゅ……んっ♡」


「はぁ……好き♡お兄ちゃん♡」


 それから俺は、妹と存分にいちゃいちゃした。


『はううう!酷いです!これがNTRと言うやつですね!?マコ様の意地悪ぅ!!』



 その夜は、結局カレンに復讐いちゃいちゃされる事となった。何とも激しかったと言わざるを得ない。


もちろん永続契約はしていない。

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